Microsoftは、法人向けの統合ソリューション「Microsoft 365」に、セキュリティやコンプライアンスの担当者が新しいプライバシー法制に対応するための新たなダッシュボードを追加する。
Microsoft 365(「Office 365」「Windows 10」「Enterprise Mobility + Security」が含まれる)には、欧州の一般データ保護規則(GDPR)やその他の地域の法律に対するコンプライアンスを管理するための新たなワークスペースが追加される。
リスク評価のためのダッシュボード「コンプライアンスマネージャー」が刷新された。これは、担当者が、規制に関するコンプライアンス業務を管理するためのものだ。EUの住民は、GDPRに基づいて、企業が収集した自分に関するデータの開示を要求することができるが、新しいコンプライアンスマネージャーでは、この種のデータ関連のリクエスト処理を支援する。
米カリフォルニア州の新しいプライバシー法も、住民に同様の保護を与えている。Microsoftのバイスプレジデント兼最高法務責任者Brad Smith氏は、米国の立法府も、カリフォルニア州の法制度に似たものが乱立して、州単位のプライバシー法のパッチワーク状態が出来上がってしまうのを避けるために、連邦政府として2019年にプライバシー法制定に向けて動くと見ているという。
このツールには、GDPRや、米国の医療分野の規制であるHIPAA、セキュリティ標準であるISO-27001などのさまざまな規制に対してコンプライアンス担当者が行うべきアクションを表示するアナリティクス機能もある。
これにあわせてID管理などのセキュリティ管理に関する情報を一元管理できるMicrosoft 365の「セキュリティセンター」も刷新される。
Microsoftによれば、これらの新しいワークスペースでは、セキュリティやコンプライアンスを担当するチーム向けに、Office 365、Windows 10、Enterprise Mobility + Security(EMS)のほか、Azureの一部機能までを含めて横断的に状況を把握できる機能が提供される。
同社は1月末から新しいダッシュボードを段階的に提供開始しており、3月末までに世界全体でのロールアウトを完了する予定だ。
新しく追加されたサポート用の資料によれば、これらの機能が提供されるのは「Microsoft 365 Enterprise」のE3とE5の顧客と、同等のボリュームライセンスを利用している顧客で、これには「Office 365 Enterprise」のE3とE5、Enterprise Mobility + SecurityのE3とE5、「Windows 10 Enterprise」のE3とE5が含まれる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。