MicrosoftのプレジデントBrad Smith氏は、2019年のIT業界はさまざまな波乱に直面する可能性があると考えている。同氏は課題として、米国の新たなプライバシー規制、米中の貿易戦争、ハッキングや選挙への干渉に対する米国の外交対応、人工知能(AI)に対する規制などを挙げた。
テクノロジ業界全体に広く影響する可能性がある変化には、2018年11月に米商務省から出てきた、国家安全保障に対する重要性から、人工知能を輸出規制品目リストに追加しようという提案も含まれる。
Microsoftの最高法務責任者でもあるSmith氏は、米政界で、「人工知能やその他のテクノロジ分野における中国の伸張に対する認識が強まっており、その経済や国家安全保障への影響に対する懸念が高まっている」と述べている。
また2018年には、Appleの最高経営責任者(CEO)Tim Cook氏がインターネット企業の規制を求める発言をしたほか、FacebookのCEOであるMark Zuckerberg氏も新たなルールが生じることを受け入れるようになった。Smith氏は、2018年はIT業界のリーダーの間にある程度の規制は必要だという容認論が広がったと述べている。
では、米国で導入される可能性がある規制にはどんなものがあるのだろうか。Smith氏は、バージニア州選出の民主党上院議員Mark Warner氏が発表したホワイトペーパーに言及している。このホワイトペーパーでは、Facebookなどのソーシャルメディアに対して、「アカウントや投稿の起点の特定、偽アカウントの特定、ボットが情報を拡散している場合のユーザーへの通知」の義務を課すことが提案されているとSmith氏は述べている。
Smith氏によれば、「Warner氏は米上院情報特別委員会で常に主導的な役割を果たしており、数カ月以内にこれらの考えを前面に押し出してくる可能性が高い」という。