シャノン、MAツールで非認知層を取込可能に--デジタルとアナログを融合

阿久津良和

2019-02-28 07:15

 シャノンは2月26日、同社のマーケティングオートメーション(MA)ツール「SHANON MARKETING PLATFORM(SMP)」に非認知領域と既存顧客をMA領域に含める「企業管理」機能を追加したことを発表した。3月下旬のリリースを予定しており、月額1万円以上の追加オプションに位置する。

 多くの企業は限られた予算内で、自社ブランドの向上や製品・サービスの認知拡大を求められる。だが、高額なテレビCMはコスト面で難しく、ダイレクトメール(DM)の効果性も明確ではない。展示会の開催や出展も確実な認知拡大につながるとは断言できない。

(左から)シャノン 代表取締役社長 中村健一郎氏、同社取締役 技術担当 堀譲治氏
(左から)代表取締役社長 中村健一郎氏、取締役 技術担当 堀譲治氏
SMPによるDM送付結果。ウェブサイトへのアクセス数や送付DMのパターン、取り引きの有無などが示される
図1:SMPによるDM送付結果。ウェブサイトへのアクセス数や送付DMのパターン、取り引きの有無などが示される
DM送付の結果をグラフで可視化
図2:DM送付の結果をグラフで可視化
複数デザインのDMを用意した場合は、そこから得られた商談化件数なども示されるため、次回以降のDM作成指針となる
図3:複数デザインのDMを用意した場合は、そこから得られた商談化件数なども示されるため、次回以降のDM作成指針となる

 現時点で企業がリーチできない“非認知領域”に対する施策を行うのが「企業管理」機能の一部である。たとえばDMを2000件送信した場合、そこからウェブサイト訪問につながった企業数、さらに商談化件数をダッシュボードで可視化することで、テレビCMや展示会といった各種施策の組み合わせを測定する。代表取締役社長 中村健一郎氏は「知ってもらわないとビジネスが広まらない」と述べつつ、デジタルとアナログを組み合わせる同機能の実装に至った。

 同機能を現実に即して説明する。大企業向けに人事SaaSを販売する企業がリード(見込み客)情報がない企業に対して認知拡大を図るシナリオを想定してほしい。

 SMPの企業管理リストからDMを「人事担当ご担当様」宛てに送付し、ウェブサイトにアクセスがあった形跡をIPアドレスベースで検出することで「相手企業が自社の製品やサービスに興味を持っているのかなど、購買活動状況が把握できる」(取締役 技術担当 堀譲治氏)

 ダッシュボードには図1で示したDM送付結果や取り引きの有無が並び、ビジネスインテリジェンス(BI)ツール「Tableau」ベースで実装したグラフが並ぶ。中村氏は「一見すると単純だが、従来のMAツールでは(デジタル+アナログの融合は)難しかった。この手法で認知・非認知のしきい値を超える」と新機能をアピールした。

 「展示会やセミナー、資料請求やホワイトペーパーを通じて複数のチャネルから顧客データを収集しても、一見して新規顧客と既存顧客を振り分けるのは難しい。さらに既存顧客に対して営業と連携していないケースが多い」(中村氏)と現状の課題を指摘した。

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