Dropbox Businessの強化でコラボレーションツール市場は大激戦へ

松岡功

2019-03-07 07:00

 本連載では、筆者が「気になるIT(技術・製品・サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、Dropbox Japanが提供する法人向けクラウドストレージサービス「Dropbox Business」である。

Dropbox Businessに「マルチチーム管理機能」を装備

 米Dropboxの日本法人であるDropbox Japanが先頃、法人向けのクラウドストレージサービス「Dropbox Business」において、複数のチーム管理を可能にする「マルチチーム管理機能」を国内で提供開始すると発表した。

 同社の説明によると、Dropbox Businessはチームの円滑な作業と連携をサポートするクラウドストレージサービスとして多くの法人ユーザーに利用されているが、ユーザーのビジネスの成長につれてチームの構成が複雑化した場合、その対処に苦慮するようになってきたとの声が高まってきているという。

 そこで、DropboxはDropbox Businessの最上位サービス「Enterprise」を利用している比較的大きな組織のために、一元管理を可能にするツールを開発することにした。その第一弾となるのが、今回のマルチチーム管理機能である。

 この新機能により、Dropbox Businessチームの管理者権限を、チーム外の人にも付与できるようになる。例えば、営業、マーケティング、財務の各部門が別々のDropbox Businessアカウントを設定していても、各チームの管理者は管理者権限を会社のITチームに与えることができる。権限を得たITチームは、これら3つのBusinessアカウントのすべてでアクティビティを追跡できるようになるという。また、マルチチーム管理者は個々のアカウントの設定を変更することも可能だ。(図1)

図1:マルチチーム管理機能におけるアクセス許可リクエスト画面(出典:Dropbox Japan)
図1:マルチチーム管理機能におけるアクセス許可リクエスト画面(出典:Dropbox Japan)

 マルチチーム管理機能を活用すると、複雑な作業をシンプルにできるようになる。別のチームへのアクセス権が付与されたマルチチーム管理者は、管理しているすべてのアカウントを自由に切り替えられるので、ログアウトとログインの操作を繰り返す必要がなくなる。各チーム管理者が管理権限を保持したまま、会社側でも各アカウントのアクティビティを確認できるので、Dropbox Businessの拡張や管理がこれまでよりも容易になるとしている。

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