サイボウズでは実際に、個性を生かした多様な働き方ができるよう、2018年5月から働き方を“宣言制”に変更している。kintoneで構築した「働き方宣言アプリ」で自分の出社時間、曜日などを決める“100人100通りの働き方”を実践。ツールを最大限活用できるよう、風土や制度面でも改革に取り組んでいるという。

自分で働き方を宣言する(出典:サイボウズ)
多様な働き方を受容できるツールと風土や制度の突き詰めで、数値以外の面でも手応えを感じているようだ。「製品の売れ方に、口コミでユーザーが増加する流れが生まれている。創業時に考えた『誰でも簡単に、PCが苦手な人でもすぐに使える』という世界が実現しつつある」(青野氏)。グループウェアが広がることで、新たな社会の広がりを感じているという。
変化を裏付ける市場の反応として、Garoonのプロモーションの一環で展開した広告「ざんねんな情報共有図鑑」シリーズも紹介。日本企業にありがちな情報共有における“ざんねん”な現象を風刺するもので、「今までもこういった方向性で展開したことはあったが、ついに響いてきたと感じている。日本のホワイトカラーにも働き方のアップデートが必要という共通認識が出てきた」(青野氏)。引き続きシリーズとして展開していくという。

展開した広告(出典:サイボウズ)
とはいえ、グループウェア事業はまだまだこれからと説明。「日本での導入社数はトップシェアといわれているが、日本には100万社、個人事業主も入れると400万社存在すると言われている。まだまだこれから、駅伝でいう1区にいると感じている」(青野氏)

主力製品の累計導入社数(出典:サイボウズ)
変化は製品の売上構成にも表れているという。もともとオンプレミス製品として提供してきたOffice、メールワイズは、売上構成の半分以上がクラウドに変化。大企業向けに展開するGaroonでも、2019年中にも半分がクラウドになる可能性があるという。