業務プロセスに組み込む、自然言語でクエリ--IBM「AIデータベース」の勘所 - (page 2)

阿久津良和

2019-03-27 07:15

 7月から提供開始予定の「Cognitive Query(認知クエリ)」は、ニューラルネットワークの要素を融合し、教師なし学習によってデータソースを基盤とした学習モデルを作成することで、従来のWHERE句では表現できなかった結果をデータベースから取り出す技術。

 もう1つは現在ベータ版の「Natural Language Query(NLQ)」と「Db2 Augmented Data Explorer」。NLQはSQL文ではなく、自然言語によるデータアクセス手法で、NLQを活用したデータ探索ツールがDb2 Augmented Data Explorerである。

 デモンストレーションではスーパーマーケットの店長が自店舗のデータを参照するシナリオで、Db2 Augmented Data Explorerの使い方を解説。クラウド事業本部 Data and AI事業部 Db2 Sales Leader 四元菜つみ氏は「データサマリーも示されるため、簡単な考察も可能。ExcelやBIツールによる作り込みも不用になる」と説明する。

Db2 Augmented Data Explorerのデモンストレーション
Db2 Augmented Data Explorerのデモンストレーション
日本IBM クラウド事業本部 Data and AI事業部 Db2セールスリーダー 四元菜つみ氏
日本IBM クラウド事業本部 Data and AI事業部 Db2セールスリーダー 四元菜つみ氏

 AIデータベースのユースケースとして日本IBMは、製造業でData VirtualizationでIoT基盤を構築し、予知保全による不用なオーバーヘッドを削減できることを挙げるとともに、流通業や販売業での各事業部の顧客分析結果から必要なデータのみDWHへ統合し、Cognitive Queryで販売傾向や離反傾向を予測できるというケースも挙げた。

 本社と営業店などが異なるシステムを採用しているため、ETLによる加工や変換処理が必要だったとある企業もData Virtualizationで自律的にデータソース同士が通信し、テーブル名や列名のゆらぎを吸収しながら、必要な形式でデータを取り出せるようになるという。

 今回紹介した機能はDb2ファミリーのメジャーバージョンアップに合わせて取り込まれる予定だ。

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