トラスコ中山は、基幹システムの更改と新規プロジェクトの構築を開始した。パートナーのSAPジャパンが3月28日に発表した。
新規プロジェクトは、新サービス「MROストッカー」の開発を主な目的とするもの。2020年1月の稼働開始を予定している。工場内の生産現場など、利用者が欲しいときにすぐに商品を使えるように在庫を置き、販売店の即納を支援する。同プロジェクトでは、日本IBMがプライムパートナーとして企画の構想段階におけるコンサルティングから要件定義、システム構築までを一貫してサポートしている。
主要改革テーマに関する実現イメージ(出典:SAPジャパン)
トラスコ中山では、統合基幹業務システム(ERP)パッケージ「SAP S/4HANA」とデータウェアハウス(DWH)「SAP BW4/HANA」で基幹システムの更改し、MROストッカーの開発とともに、見積回答の自動化、適正商品価格の自動算出、仕入先との連携強化のためのポータル構築を実現していく。これらの取り組みにより、サービスレベルの向上と社内業務の工数低減を図っていく。例えば、適正商品価格の自動算出では、日々手作業で更新をかけ続けていた特価のマスター更新業務を統計に基づき自動で算出し、サービス強化を可能にする。
MROストッカーでは、注文、決済、在庫管理などの作業をICタグやスマートフォンを利用して簡単に行える仕組みや、膨大な顧客データや天候データを分析し現場に最適化された商材を提供する機能を開発する予定で、この機能を構築するために、SAP S/4HANAの拡張機能開発を可能にするPaaS「SAP Cloud Platform」上で開発・連携するなど、一連の作業をデジタル化して効率性向上を図る。また、IoTソフト製品群「SAP Leonardo」を使って顧客の情報を自動で収集、分析する機能も構築する。