横浜市役所とシーイーシー(神奈川県座間市)グループのイーセクター(渋谷区)は、複雑な事務業務プロセスにロボティックプロセスオートメーション(RPA)を活用。自動化、効率化の可能性を共同で概念実証(PoC)し、報告書(PDF)としてまとめている。4月15日、イーセクターが概要を発表した。
対象業務を旅費支給と物品購入に設定し、業務フロー全体の処理時間削減、既存の複数システムと連携した上でのプロセスの中断と再開可否、将来的なRPA活用範囲領域拡大の可能性の3点を検証。記録型RPAではなく、庁内の複数の独自システムを連携できるという点から開発型RPA「ROBOWARE」を採用したという。
旅費支給業務では、認証ポータルにログイン、庶務事務システムから旅費精算書をダウンロード、 財務会計システムでの支出命令書作成、 文書管理システムでの回議といった一連の作業が15に及ぶ処理のうち、11の処理を自動化。中断、人による確認という処理を入れた上での稼働も確認しつつ、3145.8時間、33.1%を削減したという。現行業務と比較すると6517.9時間、50.6%の削減になるとしている。
旅費支給事務への活用(出典:横浜市)
物品購入業務では、必要ファイルを作成、認証ポータルにログイン、財務会計システムでの契約登録、文書管理システムでの支出命令書の回議など、一連の27の処理のうち20の処理を自動化。中断、人による確認後の再開も問題なく稼働したという。
全庁的に購入する物品では761.9時間、54.7%を削減。現行業務と比較すると4509.1時間、87.7%の削減になるという。各事業別に個別調達する物品では6055.7時間、32.5%削減を削減。現行と比較すると2万3066時間、65.6%の削減を見込むとしている。
個別調達の物品購入事務への活用(出典:イーセクター)