EdTechスタートアップ支援サービスに注力するAWSの思惑

松岡功

2019-05-09 07:00

 本連載では、筆者が「気になるIT(技術、製品、サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)が提供する教育関連サービス「AWS EdStart」である。

創業5年以内のEdTechスタートアップ企業を支援

 AWSジャパンは先頃、Amazon Web Services(AWS)の公共事業におけるアジア太平洋・日本地域の統括責任者であるVincent Quah(ヴィンセント・クア)氏が来日したのを機に、AWSが提供する教育関連サービスについて記者説明会を開いた。(写真1)

写真1:AWSの公共事業におけるアジア太平洋・日本地域の統括責任者であるVincent Quah氏
写真1:AWSの公共事業におけるアジア太平洋・日本地域の統括責任者であるVincent Quah氏

 AWSの教育関連サービスは現在、図1に示すように4つの領域で展開している。Quah氏は今回の会見でこの中から、14歳以上の学生がクラウドの学習コンテンツやトレーニング環境に無料でアクセスできる教育プログラム「AWS Educate」と、EdTech(エドテック:教育とITの融合)スタートアップ企業向けの支援プログラム「AWS EdStart」について説明した。本コラムではAWS EdStartに注目したい。

図1:4つの領域からなるAWSの教育関連サービス
図1:4つの領域からなるAWSの教育関連サービス

 Quah氏によると、「日本国内のIT人材は2030年までに約60万人が不足するとの試算もある中、IT人材が保持するスキルとして今、最も需要が高いのはクラウド技術だ」という。さらに、クラウド技術の中でもAWSに関わる技術の資格保持者が、年収においてもIT人材のトップレベルであることを強調した。

 AWS EdStartは、EdTech分野において創業5年以内のスタートアップ企業を支援するプログラムである。EdTechスタートアップ企業が迅速かつ容易にAWSの利用を開始するために必要なリソースを提供し、スタートアップの加速を支援。AWSクラウド上で次世代のオンライン学習、分析、キャンパス管理ソリューションを構築できるように設計されている。

 Quah氏によると、AWSにおけるこのプログラムへのアプローチには、図2に示すような3つのポイントがあるとしている。

図2:AWSのEdStartにおけるアプローチ
図2:AWSのEdStartにおけるアプローチ

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