スタートアップ企業が得られる5つのメリット
では、スタートアップ企業がAWS EdStartから得られるメリットはどのようなものか。次の5つが挙げられる。
1つ目は「技術トレーニング」。AWS EdStart のメンバーになれば、AWS ベースのビジネスの強化をサポートする多数の技術トレーニングにアクセスできる。リソースには、ウェブキャスト、技術トレーニングセッション、パートナーによる専門分野のプレゼンテーションなどが含まれる。
2つ目は「AWSプロモーションクレジット」。対象サービスの関連費用を支援。スタートアップ企業の長期的な成功のために、短期の限定的手段となることを目的としている。
3つ目は「ライブイベント」。AWS EdStartのライブイベントは、ネットワーキングとコラボレーションを促進するために、形式張らない社会環境の中でコミュニティのメンバー同士を引き合わせることを目的としている。現在、チームとしては、コミュニティメンバーのためにミートアップ、ピッチデイ、レセプションを主催している。
4つ目は「共同マーケティングの機会」。AWS EdStartメンバーとして活用することができる共同マーケティング機会が多数用意されている。ビジネスを確立して成熟させていくときに、対顧客に関するウェブセミナー、ケーススタディ、ブログ、スポンサーシップなどに参加する機会がある。
5つ目は「メンターシップ制度」。この制度は、経験豊かな業界リーダーとEdTechスタートアップ企業とのコラボレーションと会話を促進するもの。これにより、成功の輪を大きく広げることを目的としている。
Quah氏は最後に図3を示しながら、「日本のEdTech市場は2023年に3000億円を超える規模になると予想されており、非常に大きな事業機会があると見込んでいる。AWSとしても大いに注力していきたい」と力を込めた。

図3:日本におけるEdTech市場規模の推移
スタートアップ企業は、AWSにとってもともと「お得意様」だった顧客層だ。AWS EdStartは日本で昨年から提供しており、EdTech市場でもさらなる裾野拡大を狙う。スタートアップ企業が成長すれば、AWSもさらに拡大する。こうした好循環を続けることがAWSの思惑だろう。