日立製作所は4月25日、ガス管や下水管などの地中埋設インフラを効率的に保守管理するデジタルプラットフォームを構築したと発表した。その第一弾として、同プラットフォームを活用し、水道管の漏水エリアを高精度で瞬時に特定するシステムを開発した。
同プラットフォームは、高感度・低電力センサーにより、地中配管などのデータを収集し、デジタル技術を活用することで、地中埋設インフラの保守作業の高度化・効率化を実現する。

センサーの設置風景(左)と漏水検知適用例(出典:日立製作所)
高感度センサーは、同社が開発したもので、これを300m間隔で設置することで、漏水による微弱な振動を検知する。低電力化を実現する回路技術により、電力消費量を従来比で50%削減できるとしている。これにより、内蔵バッテリーのみで5年以上稼動できる。またセンサーには磁石が内蔵されており、追加工事なしで、既存の水道管に容易に設置でき、データを収集することができる。
データ分析技術では、自動車や人の往来による振動といったノイズの除去をセンサーで処理することにより、通信負荷を低減したデータの収集・分析が可能になった。センサーとの通信は、NTTグループが提供するIoT通信技術「LPWA(LTE-Mなど)」の活用を想定している。
日立では今後、実用化に向け実証実験を進め、2020年度に水道事業者向けサービスを提供開始する。