ガートナージャパンは5月15日、国内企業におけるビジネスインテリジェンス (BI)ツールの導入状況とその利用実態に関する調査結果を発表した。これによると、調査対象者の74%が、自社でBIツールを利用していると回答した。一方、自社でBIを利用しているという回答者のうち、自身では利用していないと答えた人が41%で最も多く、主に自身の分析ニーズによって能動的に利用しているという回答者は35%だった。
BIツールの利用状況:自社の状況(左)と個人の状況(右)、出典:ガートナージャパン
この調査は、2019年3月にウェブ上で実施したもので、日本国内(主に首都圏、大阪圏、名古屋圏)で働くビジネスワーカーを対象している。ウェブフォームでの回答の全返信数(有効回答者数)は441件で、所属企業の従業員数規模による内訳は、従業員数2000人以上が249件、1000〜1999人が64件、300〜999人が74件、300人未満が52件、無回答2件だった。
また、自社でBIを利用しているという回答者に、「毎日」から「毎月利用するとは限らない」の6段階の選択肢を用意して利用頻度を尋ねたところ、全ての段階において選択率が10%以上となった。能動的に利用しているユーザーの方が、受動的に利用しているユーザーよりも利用頻度は高い傾向にあるが、能動的に利用しているユーザーの中にも、「毎月利用するとは限らない」という回答が10%以上になった。利用頻度の高い3つの選択肢をまとめて「週1回以上」、低い3つをまとめて「週1回未満」として結果を見ると、週1回以上利用している回答者は、全体の49%だった。
さらに利用中のBIツールに対する不満を最大3つまで選択可能とした設問では、「ツールの使い方が難しい、使いこなせない」という回答の割合が37%と最も多く、次に「パフォーマンスが低い、処理に時間がかかる」(27%)、「導入の有用性あるいは費用対効果を検証するのが困難」(22%)という回答が続いた。
BIツールの利用頻度(出典:ガートナージャパン)
ガートナーでは、BIツールを利用する上でハードルが高いと感じているユーザーが多数いるのは確かだとした上で、一方で、「提供される機能が足りない」「提供されるグラフなどビジュアルの種類が足りない」という回答もそれぞれ20%程度いたことから、現在ユーザーが利用しているBIツールの機能と、ユーザーのデータリテラシーのマッチング状況にもばらつきがあることが浮き彫りになったとしている。