読めば分かる「ITインフラ」の基礎(2)--仮想化、クラウド、セキュリティー編

翁長潤 2019年05月19日 07時00分

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 この連載では、ITインフラに関する基本的な用語や仕組みの考え方、ぜひ身につけておきたい知識などを解説していきます。特に、これからITシステムに携わる新人担当者に向けた内容となっています。

 前回に続き、今回はITインフラの新しい技術として注目されている「仮想化」や「クラウド」、システムの安全な運用に欠かせない「セキュリティー」などを紹介します。分かりやすく説明していきますので、ぜひ最後まで読んでください。

今どきのITインフラを支える「仮想化」

 2000年代初頭、ITインフラの課題を解決する方法として「仮想化」技術が注目されました。既に企業の規模を問わず、仮想化はITインフラの一つの形態として定着しています。仮想化に関する知識は、IT担当者にとっても欠かせないものになっています。

仮想化とは?

 仮想化とは「物理的な構成を隠して、論理的かつ柔軟な構成にするための技術」です。具体的には、IT資源(リソース)を抽象化し、システムをより使いやすくすることができます。例えば、4つのCPUを搭載した物理サーバーを、1つのCPUを搭載した4台の論理(仮想)サーバーに構成することが可能です。また、複数台のサーバーをあたかも1台のサーバーのように見せることもできます。

 仮想化の目的は「IT資源を効率良く使用する」ことです。IT資源とはサーバーやストレージ、ネットワーク、アプリケーションなどが該当しますが、これらの全てに「使用されていない部分」があります。例えば、物理サーバーの中のCPUは通常10%程度しか利用されていないと言われます。仮想化は、それらのIT資源の「使用されていない部分」を「使用できる部分」に変えることができます。

図1:仮想化の対象(BFT道場 チョイトレの教育資料より、以下同)
図1:仮想化の対象(BFT道場 チョイトレの教育資料より、以下同)

 まず、仮想化技術は物理サーバーの仮想化から普及し始めました。物理サーバーの仮想化には、大きく「ホスト型」「ハイパーバイザー型」の2種類があります。

 ホスト型は、物理サーバーにインストールされたOSと仮想化ソフトウェア上で仮想サーバーが稼働します。アプリケーション感覚で仮想化できますが、OSの処理にも物理サーバーのリソースが利用されるため性能面でデメリットがあります。

 ハイパーバイザー型は、物理サーバーにインストールされた「ハイパーバイザー」と呼ばれる仮想化専用ソフトウェア上で仮想サーバーが稼働します。OSがないため物理サーバーのリソースを制御しやすく、ホスト型と比べて処理速度が向上されています。ただ、専用のサーバーを用意する必要があります。現在は、ハイパーバイザー型の仮想サーバーが広く利用されています。

図2:仮想化の種類(物理サーバー)
図2:仮想化の種類(物理サーバー)

仮想化の特徴

 サーバーの仮想化によって実現されることは数多くありますが、ここでは「可用性」「拡張性」「運用保守性」の3つの観点から仮想化の特徴を紹介します。

(1)可用性に優れている

 システムが稼働し続けることを「可用性」と言います。仮想サーバーは物理サーバーと直結していないため、もし物理サーバーに障害が起こった場合でも、仮想サーバーを別の物理サーバーへ移し変えれば稼働し続けることができます。また、仮想サーバーの実態はファイルの集合体なので、容易にバックアップを取ったり、リストア(復元)できたりするという特徴があります。物理サーバーと比べて、システムの復旧が容易に行えます。

(2)拡張性に優れている

 システムのリソースを自由に拡張・縮小できることを「拡張性がある」と言い表します。例えば、物理サーバーのHDDを増強する場合、発注から実際に搭載されるまで2週間ほどかかることがあります。一方、仮想サーバーは、設定画面から変更を指示するだけで簡単にHDDの拡張や縮小が容易に行えます。また、サーバー自体を追加する際は、既存のサーバーやテンプレート(雛形)から複製して作成することもできます。

(3)運用保守性に優れている

 システムの復旧や変更作業がしやすいことを「運用保守性が高い」と表現します。仮想化することで、1つの管理画面で複数の仮想サーバーの一元的に管理することが可能です。

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