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マイクロソフトとソフトバンク、固定電話番号による音声通話サービスを開始

阿久津良和

2019-06-17 19:11

 日本マイクロソフトとソフトバンクは6月17日、都内で記者会見を開き、「Microsoft Teams」による音声通話サービス「UniTalk」を8月1日から提供すると発表した。国内向けの固定電話番号(0AB-J番号:「03」「06」など固定電話に割り当てる番号)を1つの番号当り月額800円(税別)で定額利用ができる。企業は電話回線やゲートウェイといったオフィスへの固定電話設備の設置が不要となり、工事や運用管理の負担を軽減する。国際電話サービスやMNP(番号ポータビリティー)サービスへの対応は10月以降を予定している。

 HR総研が1月に報告した「社内コミュニケーションに関する調査」によれば、日本の大企業から中堅・中小企業を含めた73%が情報共有や社内のコミュニケーションに課題を感じているという。グローバル化への対応やビジネスモデルの変容なども激しく、企業としての成長を目指すには、社内トレンドや達成目標を実現するための洞察力も欠かせないとする。記者会見で日本マイクロソフト 代表取締役社長の平野拓也氏は、これらの企業課題について「『コミュニケーションの質を高める』『柔軟なコミュニケーションインフラの整備』『AI(人工知能)を活用した従来にはないオペレーション』がビジネスオペレーションで必要と考えている」と述べた。

新サービスを発表した日本マイクロソフト 代表取締役社長の平野拓也氏(左)とソフトバンク 代表取締役 副社長執行役員兼COOの今井康之氏
新サービスを発表した日本マイクロソフト 代表取締役社長の平野拓也氏(左)とソフトバンク 代表取締役 副社長執行役員兼COOの今井康之氏

 日本マイクロソフトがOffice 365を通じて提供する企業向けコミュニケーションツールのMicrosoft Teamsは、現在50万以上の組織で利用され、Fortune 100に名を連ねる91社が使用しているという。さらに、150社・1万人のアクティブユーザーを抱え、日本語を含めた44言語をサポートしている。平野氏はソフトバンクとの戦略的パートナーシップ締結について、「働き方改革を加速させ、顧客のDX(デジタルトランスフォーメーション)をうながす」と意気込みを語った。

 オーストラリアなど一部の海外では、同種のサービスは既に提供済みだが、日本についてはUniTalkサービスが初となる。UniTalkを利用するには、Microsoft 365 F1/E3/E5もしくはOffice 365 F1/E1/E3/E5のライセンス契約および、Office 365における通話管理とPBX機能を実現するソフトバンクの「Phone System」の契約が必要となる。Phone Systemは月額870円(税別)だが、Microsoft 365 E5/Office 365 E5プラン契約に含まれる。また、UniTalkの初期費用として1000円(同)が発生する。なお、UniTalk月額費用の800円の内訳は「UniTalk番号基本料」の300円と、UniTalk専用Microsoftライセンスとなる「SoftBank Calling for Office 365」の500円になる。

 UniTalkにより企業は、顧客対応業務や社外からの問い合わせなどで地域性のある電話番号を使用できる。IP電話(050番号など)ではなく固定電話番号を使用したいという需要を満たす。また、社外でも企業の固定電話番号で通話可能なことから、在宅勤務やリモートワークなど多様なワークスタイルにも対応する。Microsoft Azureを活用した自動翻訳機能、自動音声ロボットによる電話対応機能の開発も検討されている。

 会見したソフトバンク 代表取締役 副社長執行役員兼COO(最高執行責任者)の今井康之氏は、今回のソリューションを早期導入した企業11社から「高評価をいただいた。顧客からは音声もクリアでMicrosoft Teamsとの連携もよい。ソフトバンクテクノロジーでも社内早期導入したが、同様の結果」と強調した。40数万社に展開する約3000人の営業部隊と日本マイクロソフトのパートナー企業とともに、日本市場におけるUniTalkの普及を目指す共同営業体制に取り組む施策を明らかにし、「100万回線の契約を早期に実現する」(今井氏)との目標を示した。

ソフトバンク 常務執行役員の佐藤貞弘氏
ソフトバンク 常務執行役員の佐藤貞弘氏

 なお、今回のサービスでは「110」「119」などの緊急通話に代表される3桁の番号には未対応で、MNPサービスへの対応も10月以降を予定しているため、企業が保有する既存回線から同サービスへの移行はMNP対応が必要になる。この点についてソフトバンク 常務執行役員の佐藤貞弘氏は「新オフィス開設時の工事は不要になるが、一定期間内の利用や一時的な社用番号発行、(スタートアップなどが利用する)小規模オフィスなどの需要を見込んでいる」とした。

 現在でも「03」などで始まる固定電話の信頼性に対する需要は一定の企業や顧客の間で存在し、他方で固定電話という旧来のシステムを維持するコストも無視できなくなりつつある。ソフトバンクの佐藤氏は、「『Skype for Business』の時代からMicrosoftの責任者とコミットしてきた。開発には年単位の期間が必要」と国内における独占販売に自信を見せつつ、企業の運営ポリシーに応じた利用シナリオの訴求を目指すとしている。

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