調査

企業のサイバー犯罪対応コスト、日本は世界2位--ランサムウェアや内部脅威も増加

ZDNET Japan Staff

2019-07-03 16:51

 Accentureが先頃発表した2018年における企業のサイバー犯罪対応コストは、1社当たり約1300万ドルに上り、前年から130万ドル増加した。ランサムウェアや内部犯行の脅威がコスト増に影響している。

 調査は、同社とPonemon Instituteが日本を含む11カ国の355社に在籍するセキュリティおよびIT部門の幹部2647人にアンケートしたもの。国別のトップは米国の約2740万ドルで前年から29%増加した。日本は約1360万ドルで第2位、以下はドイツ(同1310万ドル)、英国(同1150万ドル)だった。コストが最も低いのはオーストラリアの約680万ドルとなっている。

2018年のセキュリティ脅威別のコストと前年からの変化(出典:Accenture)
2018年のセキュリティ脅威別のコストと前年からの変化(出典:Accenture)

 脅威の種類別では、マルウェアによるコストが最も高く、前年比11%増の約260万ドルに上った。増加率で見ると、ランサムウェア(同21%増の約65万ドル)と内部犯行(同15%増の約116万ドル)の2つが高い。ランサムウェアの攻撃数は過去2年で3倍以上に増加していることも分かったという。

 また、フィッシングとソーシャルエンジニアリング攻撃を受けた企業は全体の85%を占め、前年から16%増加した。平均コストは8%増の約140万ドルに上っている。

 2018年は1社当たり平均145回のサイバー攻撃被害があり、前年比では11%増加した。5年前と比べても67%増加している。Accentureは、こうしたコストをもたらす脅威への対応意識が企業全体で共有されておらず、セキュリティ部門がセキュリティを担保するための取り組みに深く関与できていないと警鐘を鳴らしている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  4. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

  5. クラウドコンピューティング

    Snowflakeを例に徹底解説!迅速&柔軟な企業経営に欠かせない、データ統合基盤活用のポイント

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]