IT分野の人材育成や転職支援などを行うインターノウスは7月16日、未経験からITエンジニアとして働くことを希望する地方在住者向けのサービスを開始した。技術の習得と就職の支援、就職活動中の住居を無料で提供するという。
内観イメージ（出典：インターノウス）
インターノウスは2012年4月からITエンジニアの不足解消を目指し、未経験者向けのプログラミング教室を展開してきた。その結果、2018年4月から2019年5月までの1年間で約500人のプログラマーを育成。だが、この教室は都内で開かれているため、支援できるのは通学可能な都内近郊の在住者にとどまっていた。そこで同社は今回、地方在住者に向けたサービスの提供に至ったとしている。
同サービスでは、技術の習得と就職の支援、就職活動中の住居を無料で提供する。費用は受講者の就職が決定後、就職先が支払う仕組みだ。技術習得の支援では、インターノウスのプログラミング教室で使用されている教材を基にした学習サイト「4each」を開設し、地方に住んでいても遠隔でプログラミング技術を習得できる環境を整備する。受講条件は30歳未満であること、プログラマーとして働く意思があることの2つだ。
学習時間は約400時間で、習得可能な技術は HTML、CSS、JavaScript、PHP、XMPP、MySQL、jQuery、Java。オンラインでもモチベーションが持続しやすいよう、学習進捗の達成度を可視化したり、キャリアアドバイザーがSkypeなどを通して支援したりする。
4eachのイメージ（出典：インターノウス）
受講者は動画やスライドで学んだ後、写経学習で実際にコードを一から書く。その上で、章ごとの課題を解いて理解を深める。不明点があった際は、動画やスライドで復習することが推奨されている。
就職支援は、都内での就職を希望しており、なおかつ4eachでの学習終了後に指定された課題をクリアした受講者を対象に2019年8月ごろから実施する予定。キャリアアドバイザーが3500社以上の求人から企業を紹介するという。
就職活動中の住居提供に関しては、地方から上京する就活生に就活期間中、都内周辺の住居を1カ月間無料で提供する。ベッドや電子レンジなどの家具・家電が付いておりWi-Fi完備の物件のため、金銭的な負担を最小限に抑えられるとインターノウスは説明する。加えて、都内までの交通費を1万5000円まで支給したり、都内周辺の宿泊施設を無料で提供したりする。総務省のデータによると、IT企業の約50%が東京都内に集中しているという。そこで同社は、地方在住者が都内で就職活動を行えるよう住宅提供に踏み切ったとしている。
外観イメージ（出典：インターノウス）
インターノウスは、今回のサービスを通してプログラミング教育における地域格差を是正し、地方からも多くのITエンジニアを輩出することを目指している。なお、今回開設した4eachを地域のプログラミング教育や企業研修に活用することも検討しているという。
