顔認証技術をオフィスに適用し始めたNECの思惑

松岡功

2019-08-01 07:00

 本連載では、筆者が「気になるIT(技術、製品、サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、NECがこのほど提供開始した「顔認証ソリューションforオフィス」の強化版を取り上げる。

オフィス向けの顔認証ソリューションを強化

 「顔認証ソリューションforオフィス」は、顔認証AIエンジン「NeoFace」を用いてオフィスにおける認証手段を顔認証で統一することで、オフィス内のセキュリティを担保しつつ、働き方の効率化や利便性の向上を図るソリューションで、NECはこれを2018年10月に発表した。

 今回は、このソリューションを構成するサービスの中でキーとなる「NeoFace 顔情報マネジメントサービス」を強化。さらに、「NeoFace 顔登録Webサービス」を新たに提供開始した。

 NeoFace 顔情報マネジメントサービスの強化では、数の用途および地点にまたがる顔認証システム間で顔情報の共通利用を可能にする同サービスにおいて、ポータル管理画面を新たに追加。これにより、共有している顔情報や登録内容の一覧、顔認証システムごとの共有状況を管理画面上で確認できるようになったため、運用管理者がシステムごとに個別確認する負担を軽減できるようになったという。(図1)

図1:NeoFace 顔情報マネジメントサービスの概要(出典:NEC)
図1:NeoFace 顔情報マネジメントサービスの概要(出典:NEC)

 また、顔情報を共有する複数の顔認証システムをグループ化して管理できるので、登録者ごとに共有する顔認証システムを選択するなど柔軟な運用が可能になるとしている。価格は、登録人数が1000人までで税別月額利用料5万円から。

 一方、新たに提供するNeoFace 顔登録Webサービスは、スマートフォンやPCなどに搭載しているカメラで撮影した顔画像をクラウド上に登録し蓄積できるものだ。このサービスを利用すれば、顔画像を撮影するための場所や特別な機材を用意することなく、顔認証に利用できる品質の顔画像を収集可能としている。価格は、初期費用が50万円から。登録人数に応じた月額利用料が3000円から。このサービスは9月下旬の提供開始を予定している。

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