Dell Technologies(デルおよびEMCジャパン)は8月23日、コンサルティングサービス事業の現状について説明した。国内企業では、ビジネスでのデータ活用を目的にした基盤整備が多いという。
EMCジャパン 執行役員 コンサルティング事業本部長の松原健一郎氏
EMCジャパン 執行役員 コンサルティング事業本部長の松原健一郎氏によると、同事業は2000年代に始まり、EMCのストレージ製品の最適利用を支援するプロジェクトが中心だった。以降はサーバーの仮想化やマルチクラウド利用への対応支援に拡大、20年間で1000件超のプロジェクトを手掛けてきたという。
現在はグローバルで約2000人が同事業に関わり、国内では85人強のコンサルタントがプロジェクトテーマに応じた5つのチームに分かれて活動する。「Dell Technologiesグループは広範な製品やサービスのポートフォリオを持つが、コンサルティング事業は製品部門から完全に独立してサービスを提供している。自前の技術を活用しつつ、顧客が目指すゴールへの支援に注力している」(松原氏)
コンサルティングサービスでは、ITインフラストラクチャー、働き方改革、アプリケーションの3つの領域を中心に、グローバルのリソースも活用してプロジェクトを推進していく「Transformation Program Office」を組み合わせたサービスを行っている。ITインフラストラクチャー関連は、マルチクラウド化の進め方やデータセンターの刷新、事業継続や災害復旧などがプロジェクト案件になるという。働き方改革では、仮想デスクトップ基盤(VDI)やクラウドアプリケーションの導入支援など技術的なサポートが中心であるものの、「ペルソナを定義し、従業員の多様な働き方を実現していく環境作りに取り組んでいる」(松原氏)とのことだ。
欧米と日本では、コンサルティングサービスに対する顧客企業のニーズの傾向で多少の違いが見られるというが、国内ではアプリケーション領域に関する案件において、特にビッグデータ基盤を整備したいとのニーズが高いという。
「顧客企業の多くがデータアナリティクスを実行していくことを目的にビッグデータ基盤の整備を希望している。例えば最近では、単にデータウェアハウス(DWH)をリプレースするのではなく、スケールアウト型のアーキテクチャーを取り入れて“データレイク”に刷新する案件が目立つ。既存のデータベース利用を継続することに限定せず、われわれのパートナーであるMicrosoftのソリューションやその他のデータベースを検討することもある」(松原氏)
ビッグデータ基盤整備プロジェクトの一例
メーカー系のコンサルティングサービスでは自社製品を売り込みがちだが、同氏は自社製品の導入にこだわらず、投資効果にも踏み込んだ顧客の支援が特徴になると強調した。