国際カードブランド「JCB」を運営するジェーシービー(港区、従業員数4290人、JCB)は、機械学習プラットフォーム「MAGELLAN BLOCKS(マゼランブロックス)」を採用。コールセンターでのアウトバウンドとインバウンドの両方に活用する。9月5日、MAGELLAN BLOCKSを開発、販売するグルーヴノーツ(福岡市中央区)が発表した。
ユーザーロゴ(出典:グルーヴノーツ)
損害保険の加入案内や生命保険の販売といったアウトバウンドでMAGELLAN BLOCKSを活用する。クレジットカードの利用実績やユーザーの年代、性別などから成約に至る可能性の高い見込みクレジットカード会員を人工知能(AI)で予測するという。省力化と保険加入を希望するユーザーへ最適なタイミングでのアプローチを目指すとしている。
本格活用前の概念実証(PoC)では、人の予測と比較して約2倍という高精度化に成功したという。成約率を維持しつつアウトバンドコールを削減し、架電コストの半減を見込むとしている。
アウトバウンド業務への活用イメージ(出典:グルーヴノーツ)
クレジットカード会員からの相談や質問に答えるインバウンドでもPoCを実施した。
東京をはじめとした複数のコールセンターで対応しており、問い合わせ数は日や時期により変動。オペレーターの配置計画には予測が必須となるが、個人の知見に頼る状態だったという。特定の従業員への知識、ノウハウの属人化が課題で、特に引き継ぎの際などに顕在化していたという。
従来のインバウンド業務イメージ(出典:グルーヴノーツ)
PoCではある拠点の過去2年分の問い合わせデータを学習させ、99.8%の精度を達成。信頼度の高い配置計画の立案が見込めるという。データさえあれば誰でも正確な問い合わせ数の予測が可能となり、複数部署、拠点への本格導入を計画していると伝えている。
インバウンド業務への導入イメージ(出典:グルーヴノーツ)
MAGELLAN BLOCKSは、深層学習も含めた機械学習や量子コンピューターなどの技術を活用するクラウドサービス。用意したデータとともに需要予測、分類予測などの様々なブロックをつなぐだけで、予測や組み合わせ最適化などを分析できるという。