音声認識に特化した人工知能(AI)技術を開発するHmcommは9月4日、三菱ケミカルホールディングス(MCHC)と宮崎大学とともに、AIによる異音検知技術を活用した「豚の音声検知システム」の共同研究を開始すると発表した。
同システムは、豚の鳴き声をマイクで収集し、AIにより熟練者と同等以上のレベルで「豚の呼吸器系疾病の兆しの早期検知」「発情兆候の検知」「哺乳回数の測定」を行うもの。熟練者は、豚の罹患(りかん)の兆候を咳やくしゃみ音からそれらを聞き分けることができ、従来母豚の発情兆候を判別する際や哺乳回数を測定する際には、作業員が様子を注意深く観察していた。

システム概要(出典:Hmcomm)
共同研究では、宮崎大学住吉フィールドと南さつま農業協同組合加世田農場で飼育する母豚や肥育豚の音声を収集し、Hmcommのディープラーニングによる異音検知プラットフォーム「FAST-D」(Flexible Anomaly Sound Training and Detection)を活用する。AIに学習させることで、熟練者のノウハウをAIにより平準化させ、より少人数での効率的な畜産業務の実施を目指す。