セールスフォース、「Einstein Search」を発表--CRM検索を強化へ

Stephanie Condon (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部 矢倉美登里 吉武稔夫 (ガリレオ)

2019-09-19 13:22

 Salesforceは米国時間9月18日、営業チームやサービスチームの生産性向上を目的とする新たな検索機能「Einstein Search」を発表した。この新たなインテリジェント検索バーは現在、一部の顧客によって試用されており、初期の結果では作業完了までに必要なクリック数を50~80%削減できるという。

Salesforce Einstein Search

 検索は同社の機能のなかで最もよく使用されているものの1つであるという点を考えると、この機能が多数の従業員によって用いられた場合、著しい生産性向上が期待できるとSalesforceは述べている。Salesforceによると、1カ月あたりの検索回数は10億を超えているという。

 Einstein Searchによって、同社の顧客関係管理(CRM)プラットフォーム内における検索が、いくつかのかたちでより効率化される。まず、検索結果における応答がパーソナライズされる。またこの検索ツールは、自然言語による照会に対応しており、Salesforceで利用できる具体的な言葉を理解するようになっている。このため、営業担当者は「my open opportunities in NY」(ニューヨークにおける私の機会は?)といった検索が可能になる。

 また、Einstein Searchによってアクション可能な検索バーの効率が向上する。ユーザーは、検索結果から直接、自らの販売記録を編集したり、連絡先を機会につなげられるようになる。

 Salesforceの製品管理担当バイスプレジデントを務めるWill Breetz氏は、エンタープライズ向けの効率的な検索ツールの開発が、考えられている以上に難しい理由を説明した。まず、企業内でユーザーによって目的がまったく異なる場合がある。販売契約をまとめようとしている、顧客サービスの問題に対応している、新しいマーケティングキャンペーンを構築しているといった具合だ。そのため、検索エンジンがユーザーの意図を理解するのは、いっそう困難になる。

 またSalesforceの顧客は、それぞれ異なるやり方でCRM環境をカスタマイズし、ニーズに合わせてデータを整理している。そのため、すべての顧客に最適な単一の検索モデルを構築するのは難しくなる。

 さらにBreetz氏によると、Salesforceが顧客のデータに目を向けることはない。プライバシー基準を守ろうとすれば、Salesforceは従来の機械学習技術を利用して検索ツールを改善できないという。

 Salesforceによると、革新的なデータマイニングおよび機械学習の技術を利用し、パーソナライズされた結果を表示する一方で具体的なユーザー情報を匿名化しているという。

 Einstein Searchは2020年に利用できるようになる予定だ。2019年冬にベータリリースに早期アクセスすることもできる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    ITR調査結果から導くDX浸透・定着化-“9割の国内企業がDX推進中も成果が出ているのはごく一部”

  2. セキュリティ

    最新調査が示すセキュリティ対策の「盲点」とは?|ゼロトラスト、生成AI、サプライチェーンリスクの実態

  3. セキュリティ

    セキュアな業務環境を実現する新標準「Chrome Enterprise Premium」活用ガイド

  4. セキュリティ

    失敗しない「脱PPAP」とは?主要ソリューション5つを徹底比較してわかった勘所

  5. ビジネスアプリケーション

    調査結果が示す「生成 AI 」活用によるソフトウェア開発の現状、ツール選定のポイントも解説

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]