イーソルは9月26日、リアルタイムOS「eMCOS」をベースに仮想化機能を組み込んだ「eMCOS Hypervisor(仮称)」を開発したと発表した。2020年3月末にリリースする。

構成イメージ
eMCOSは拡張性と処理性能を両立させた組み込み機器向けのリアルタイムOSで、標準のプログラミングAPIを使用して32ビットコントローラーで実行でき、メニーコアにまで拡張できる。新開発のeMCOS Hypervisorは、POSIX互換の「eMCOS POSIXの拡張機能」となり、eMCOS HypervisorでLinuxおよびAndroidをゲストOSとしたアプリケーションを実行できるようにする。
同社によれば、eMCOSは自動車や産業、医療などの高いリアルタイム性や信頼性、安全性が要求されるシステムで広く採用されているが、自動運転車や産業用ロボットの自律制御といったシステムにおける要件の高度化、複雑化、大規模化が進んでおり、メニーコア/マルチコアのプロセッサーを活用して、さまざまなアプリケーションの実行や制御するニーズが高まっている。
このためアプリケーションを空間的、時間的に完全分離することで信頼性や安定性を確保しつつ、単一のハードウェア上で汎用OSで動作するアプリケーションを含めた柔軟なシステムを構築できるようにした。

「eMCOS Hypervisor(仮称)」でLinuxを起動(右側)するデモ