情報処理推進機構(IPA)は3月27日、組み込みおよびIoTに関する動向を調査した結果を発表した。重点課題に設計品質や開発能力の向上、技術トレンドへの対応を挙げる声が目立った。
同調査は、組み込み機器やIoT関連産業の動向を把握する目的で実施されたもの。同産業関連企業の経営層や事業責任者を対象に2018年11月~2019年2月に実施され、有効回答は307件となっている。
まず「開発の課題」(上位1~3番目の合計)では、回答者の40%前後が「設計品質の向上」や「開発能力の向上」を挙げ、「技術トレンドへの対応(IoT、ビッグデータ、AIなど)」も課題意識が高いことが分かった。設計品質の向上の課題解決策では、約7割が「技術者のスキル向上」を挙げた。
開発の課題(出典:IPA「2018 年度組込み/IoT に関する動向調査」)
また、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む目的では、8割の回答者が「新ビジネスの創出」を挙げている。以下は「世の中のトレンドへの対応」「コネクテッド(クラウド連携)への転換」「顧客・主要取引先からの要求」などで、市場動向などを受けてDXに乗り出す傾向も見て取れる。
デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む目的(出典:IPA「2018 年度組込み/IoT に関する動向調査」)
主要トレンドの「IoT」「AI(人工知能)」「DX」への取り組みでは、「IoTとAI」が30.5%で最も多く、以下は「全て」(18.1%)、「IoTのみ」(15.4%)など。「全てなし」も15.4%に上った。
技術者数では、現在数および不足人数とも「10人未満」と答えた企業が6割前後を占めた。人材不足の解消策では、6割強が「中途採用/ヘッドハンティングの活用」を挙げている。