本連載では、筆者が「気になるIT(技術、製品、サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回はITに関連する気になる動きとして、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)と日本マイクロソフトの連携拡大について取り上げたい。
働き方改革ソリューションに関する連携を拡大
NTT Comと日本マイクロソフトは先頃、多様な働き方の実現や生産性の向上に向けて、日本マイクロソフトのSaaS「Office 365」で提供されているコミュニケーション/コラボレーションサービス「Microsoft Teams」を活用した働き方改革ソリューションに関する連携を拡大すると発表した。
連携拡大の第一弾として、NTT ComがTeamsに対応した外線通話機能「Direct Calling for Microsoft Teams」を12月より提供し、Teams利用者の社外への外線通話を可能にする。加えて、NTT Comグループが提供するクラウド型ウェブ電話帳「連絡とれるくん」と連携させることにより、ダイヤルパッド発信だけでなく、相手の連絡先をワンクリックするだけで外線通話を行えるようにする。
両社では、チャット、ビデオ通話、外線通話など、ビジネスに必要なあらゆるコミュニケーションをTeamsに集約させることで、シームレスかつ場所にとらわれないコラボレーションを実現でき、企業の働き方改革をさらに加速することができるとしている。(図1)
※クリックすると拡大画像が見られます
これまで両社は、日本マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」と、NTT Comのクラウドサービス「Enterprise Cloud」を効果的に組み合わせたサービスの提供や、Office 365を中心とした働き方改革ソリューションなどを通じて連携を行ってきた。今回は、データをさらに有効活用した働き方改革の実現に向けて新たなソリューションを追加し、両社の連携を拡大させた格好だ。
両社は、今後もサービスの共同開発やマーケティングの共有などにおいて連携を強化し、先進的なソリューションを展開することで、顧客企業の働き方改革の推進に一層貢献していきたいとしている。
有力なSaaSに独自の付加価値を施すNTT Com流
以上が両社の連携拡大の発表内容だが、筆者がこの動きに注目したのは、NTT Comのしたたかな戦略を感じたからである。