凸版印刷は、印刷物・デジタル媒体に関する業界・企業特有の表記や専門用語を学習し、企業ごとの基準に合わせて文章の校閲・校正を行う「AI校閲・校正支援システム」を開発した。全国の銀行やカード、生損保会社など金融業界向けのサービスとして10月から提供する。2020年度までに20社への導入、2022年度までに関連受注を含めて累計100億円の売り上げを目指す。
同システムは、これまで同社がパンフレット・メールマガジンなど多様な印刷物やデジタル媒体の制作を通じて培ってきた校閲・校正ノウハウをもとに開発し、実証実験の成果を踏まえて改良を加え商品化した。
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AI(人工知能)を活用して、「正しい日本語」や専門用語の間違い、制作レギュレーションの違反までを自動的に検出する。また、校正・校閲などの確認者によるチェックに加え、制作者が制作段階から確認者目線でチェックできる仕組みにより、初校段階からの品質向上が可能となる。
同システムでは、媒体制作のルールや基準をシステムが管理し、異なる制作者・管理者による品質のばらつきも防止する。媒体ごとに異なるレギュレーションを複数管理することも可能だ。また確認者による完成文書に対するチェックだけでなく、制作段階からの文章チェックにも合わせたインターフェースをそれぞれ提供することで、制作時のチェックからオンラインでの赤字入れ、修正指示出しまでの流れ全体のデジタル化・効率化を支援する。価格は初期費用が500万円から、運用費用が月額50万円からだ。