PDF作成前にアクセシビリティチェックを
Microsoftが米国時間10月30日に更新した、Office 365各プラットフォームに対する変更内容をまとめる。リリースノートによればバージョン1910(ビルド12130.20272)へ更新したWindowsデスクトップ版は、Word、Excel、PowerPoint、Outlookの秘密度ラベルを標準搭載した。
セキュリティ/コンプライアンスセンターからポリシー情報を取得してラベル設定を解釈し、マーキングを適用やドキュメントを暗号化するため、Microsoft Information Protection SDKに基づくコードを含んだことになる。同機能を使用するには、Office 365 E3/E5ライセンスを所有し、システム管理者による機能の有効化とAzure Information Protectionを削除しなければならない。筆者はOffice 365 Businessライセンスのため、詳細は公式ドキュメントを参照してほしい。
WordやExcel、PowerPointには、ドキュメントをPDFとして保存(エクスポート)する際に、アクセシビリティを調べるオプションが加わった。同機能は以前からWindowsデスクトップ版が備えるアクセシビリティチェック機能を実行することで、目次やハイパーリンクなど可読性の高いPDFファイルを作成することを目的としている。昨今のドキュメント閲覧環境はPCに限らず、スマートフォンやタブレットを使う場面も少なくない。このような背景から同機能を実装したのだろう。
「アクセシビリティを調べる」ボタンをクリックすると、アプリケーションに戻り、アクセシビリティチェック機能を実行する
単独の更新を見るとWordには、変更履歴を含むドキュメントの共同編集時にパフォーマンスダウンが発生していた問題を修正し、3Dオブジェクトモデル挿入時にドキュメントが破損する問題を修正した。Outlookには新バージョンで修正したエラーが発生した際、ユーザーに修正プログラムの適用をうながすメッセージが現れるようになった。
Windowsデスクトップ版Office 365自体の変更点として、Microsoft Teamsクライアントがインストール対象に含まれている。月次チャネルや半期チャネル(対象指定)は3月、半期チャネルは7月から始まった変更だが、リリースノートで明言したのは今回が初めてだ。
Office Deployment Toolを使っているシステム管理者は「configuration.xml」に「<ExcludeApp ID="Teams" />」の一文を加えることで、Microsoft Teamsのインストールを抑止できる。詳しくは公式ドキュメントを参照してほしい。