海運を手掛ける旭タンカーは、海上船舶への燃料輸送のデリバリー業務を効率化するデジタル変革プロジェクトに取り組んでいる。その中でOracleが提供するクラウドサービスなどの採用を決定した。
旭タンカーには、国内をカバーする内航部門と、日本と海外の三国間などの輸送を受け持つ外航部門があり、両部門で約150隻のタンカーを運航している。海上船舶に保税燃料油(ボンド・バンカー)を輸送する事業では、国内輸送の約55%を担う。
ボンド・バンカーのデリバリー業務では、担当者が注文に関する問い合わせへの対応や船舶のスケジュール情報の提供を行っていたが、これらの作業に時間がかかることが課題だったという。また、現場の受渡し業務において重要な役割を果たすバンカー・クラークの業務負荷も大きく、業務に関わる関係者全員の働き方改革が求められていた。
今回導入したのは、顧客データを管理する「Oracle CX Sales Cloud」、カスタマーサポートを自動化する「Oracle Service Cloud」、アプリケーション同士の連携を行う「Oracle Integration Cloud」、アプリ開発環境をPaaSで提供する「Oracle Visual Builder Cloud Service」。これらのソリューションを活用して、デリバリー業務関連のシステム構築を行っていく。Oracleのクラウドサービスの実装は、アイ・エス・アイソフトウェアー、クレシードが担当する。
構築したシステムを活用することで、オーダーの問い合わせ情報・オーダーの受注登録を行うウェブ画面を商社を中心とした顧客に提供し、データ入力などの負担を大幅に軽減する。また、進ちょく状況の問い合わせへの対応やスケジュール情報の提供では、それらのデータを持つバンカー・クラークが直接システムに登録できる専用のインターフェースを提供。顧客もそのシステムにアクセスしてデータを参照できる仕組みを整え、各自で最新のステータスを把握できるようにする。