NTTデータは日本年金機構において、預貯金などの照会業務を電子化するサービス「pipitLINQ(ピピットリンク)」を活用した実務検証を2月に実施する。埼玉りそな銀行、横浜銀行、川崎信用金庫が協力するという。
この実務検証では、日本年金機構が実施する財産(預貯金状況)の調査業務において、日本年金機構と金融機関のやりとりに電子データを用いることで、作業時間削減と業務効率化がどの程度可能かを検証する。口座特定結果が電子化の前後で同等であるかの検証や、照会/回答に関係する統一フォーマットを使用した際、照会結果が電子化前と同等であるかの検証も実施する。
これまで紙で行っていた事務作業を電子化した場合の削減時間の検証や、口座の特定結果の検証、紙から電子データへの変更に伴う照会結果の検証などを行う。財産(預貯金状況)の調査業務において、従来は異なる様式かつ紙による調査が実施されており、事務所職員の業務負荷や、調査回答期間の長期化が大きな課題となっていたという。

実務検証における運用イメージ(NTTデータ)
pipitLINQは行政機関と金融機関をつなぐ全国統一型のサービスで、行政機関と金融機関の双方が同サービスを導入することにより、導入機関間で電子データによる預貯金などの照会が可能となる。書面を取り扱う人的負担や郵送によるコスト・回答までのタイムラグが大幅に軽減され、迅速かつ適正な業務につながるとしている。
NTTデータは、pipitLINQの提供とともに実務検証用システムの提供を行う。日本年金機構は電子データによる財産調査の実施や、想定した運用手順の妥当性の確認、電子化後の運用における課題の抽出などを実施する。また各金融機関は電子データによる財産調査依頼への回答をシステム上で実施する。