JFEスチールとKDDIは3月17日、千葉地区にあるJFEスチール東日本製鉄所において、5G(第5世代移動通信システム)を4月に導入すると発表した。4K映像などを活用して、JFEスチールの安定操業やスマートファクトリー化を進めるという。
5Gは、高速・大容量、低遅延、多数の端末との接続が特徴。リアルタイム性と安定性が求められる製造現場のネットワーク環境に5Gを活用することで、さまざまなセンサーで取得された大量のデータ収集や各設備の制御を一括して行うことができる。これにより、製造現場全体の最適化を図ることが可能となる。また生産効率の向上や、工場内のレイアウト変更への対応、設備と作業員の協働支援なども期待されるという。
今回は第1段階として、JFEスチール東日本製鉄所の熱延工場内に生産ラインを監視する高精細ITVカメラとKDDIの5G基地局を設置し、カメラによって撮影された4K映像を5Gで伝送する。これにより、蓄積される映像と各種トレンドを同期して分析できる仕組みを構築。そして試運転後、5月に稼働を開始する。映像は、管制室の4K対応モニターからリアルタイムで確認することが可能となる。将来的には第2段階として、映像とトレンドを踏まえた人工知能による各種品質判定などを目指すとしている。
また、今後は他工場や他事業所への水平展開のほか、CPS(サイバーフィジカルシステム)を高度化するためのインフラとして、5Gの活用を検討・推進していくという。