SAS Institute Japanとアビームコンサルティングは3月24日、三菱UFJニコスの債権回収業務の高度化に向けて「SAS Customer Intelligence 360(CI 360)」を活用した実証実験を開始したと発表した。
今回の実験では、CI 360を用いて、どの会員に、どの期間、どのチャネルから、どれだけコミュニケーションを実施するかを最適化する。従来の架電に加えてデジタルチャネルも活用することで、新たな債権回収モデルを検討する。オペレーターによる架電やIVR(自動音声応答)による自動架電については、実施する曜日と時間を最適化することで会員との通話率向上を目指す。
三菱UFJニコスの方針に沿った債権回収モデルの企画から、KPI(重要業績評価指標)の定義、分析・最適化シナリオの定義、シミュレーションによる効果試算、実証実験と評価までを3社共同で進める。
CI 360については、債権回収の最適化だけにとどまらず、カード会社の収益を最大化していくために、会員獲得、マーケティング、与信管理といった業務横断の最適化にも生かせるという。例えば、信用リスクや債権回収への影響を考慮しつつ、会員に対するプロモーションオファーを最適化したり、信用損失を極小化するための与信枠を会員単位で最適化したりといったことが可能になる。