日本マイクロソフトは3月24日、同社「Microsoft Teams」が登場から3周年を迎えたのに際して米国で先ごろ発表された新機能を説明するとともに、Teamsの現状、新型コロナウイルスの影響、利用事例などを紹介した。
Teamsは2017年3月、Office 365のチャットベースのワークスペースツールとして、25言語で提供を開始。2018年7月には無料版がリリースされ、2019年1月には現場の最前線で活躍する従業員向けに新たな機能も提供している。
Teamsは、コラボレーションプラットフォームとして、チーム、会議、通話向けの機能を主に搭載している。
チーム向けの機能は、チャットやファイル共有などにより、チーム内の生産性をあげ、人と人をつなげることに力が入れられている。会議については、社内だけでなく社外とのコミュニケーションを可能にしており、企業ではビジネスを止めないために、病院や教育機関では患者や生徒と常につながるために活用されているという。
日本マイクロソフトのMicrosoft 365ビジネス本部 本部長を務める山崎善寛氏は、「社内の会議もそうだが、社外ともウェブ会議でやるというのが非常にトレンドとなっている」と述べる。
山崎善寛氏
同社でも、Teamsや「Office 365」との連携ソリューションを先日発表した名刺管理サービスのSansanといった外部企業とコミュニケーションをしている。「チーム」と呼ばれる共同の作業場所を作り、ドキュメントの共有やチャットをリアルタイムですることで、製品開発のスピードを上げることが可能となるという。
通話については、「UniTalk」と呼ばれる外線発信のクラウドサービスをソフトバンクと共同で展開している。山崎氏は、「外線電話をかける、受けるとなると会社に来なければならなく、電話業務は在宅勤務ではできないとのイメージがある」と述べ、「PCを持ち帰って、そこから会社の番号で電話をかける、受けるといったソリューションを強く進めている」と続けた。
家庭の生活音を抑制--挙手ボタンを搭載
先ごろ発表された新機能は、ウェブ会議、チャット、通話の3分野それぞれでTeamsの向上を図っている。
ウェブ会議におけるリアルタイムのノイズ抑制機能は、話者の声以外の周囲にある雑音を抑えることができるため、在宅勤務時においても家庭の生活音を気にせず会議に参加することが可能になる。同機能のデモビデオを見ると、マイク付きヘッドセットを使って喋りながらポテトチップの袋の中を手で探って音を出しても、その音だけが抑えられ、喋り声を妨げないようになっているのが分かる。
挙手機能は会議参加者の発言を助けるためのもの。大人数の会議の場合、誰に発言してもらうかをコントロールするのはファシリテーションのスキルが必要になるが、これをツール的にサポートする。画面上に専用の“挙手ボタン”が表示されるようになるため、各参加者はそのボタンを使うことで発言したいという意思表示が可能になる。
画面下の赤丸で囲まれた「挙手機能」を使うと発言の意思表示が可能になる。
PC向けにのみ現在提供されている背景ぼかし機能は、「iOS」搭載端末でもサポートされる。同端末を使っていつでもどこでも会議に参加できるようにしながらも、在宅勤務においてはプライバシーが、会社においては機密情報が思わぬ形で漏れたりするのを防止する。
チャットについては、オフラインや低帯域幅をサポートし、複数のチャットを別ウィンドウで実施することが可能になる。
これらの機能は2020年内に提供が予定されている。