“データ仮想化”ソフトウェアを開発、提供するDenodo Technologiesは3月26日、プレスラウンドテーブルを開催。国内外の事例を交えながらデータ仮想化と現行製品「Denodo Platform 7.0」を説明した。
複数のデータを仮想的に統合するデータ仮想化は、ITコストの削減に大きく寄与する技術として注目されており、Gartnerのハイプサイクルでは幻滅期(Trough of Disillusionment)を過ぎて、生産安定期(Plateau of Productivity)に分類されている。データ仮想化市場の年間平均成長度は13%におよぶという。
2019年1月に日本法人を設立。同社営業本部長 中山尚美氏は「(データを利用する)AI(人工知能)やBI(ビジネスインテリジェンス)ツールは日進月歩で進化するが、十分なデータを与えないと有効活用できない。一説では半分以下の効果」とデータ仮想化の重要性を強調した。
Denodo Technologies 営業本部長 中山尚美氏
Denodo Platform 7.0はIT部門などが管理する各種データソースと、マーケティング分析などを行うユーザー部門の中間に位置するデータ仮想化ソフトウェア。
各種データベースやクラウドストレージ、オンプレミスに蓄積したデータをデータウェアハウス(DWH)にコピーし、単独のBIや分析ツールから参照するケースは珍しくない。だが、ツールを刷新する際はデータ形式をツールに合わせるためのETLツールが必要となり、DWHをデータマートとして使用する場合もデータがクライアントとDWHで重複するといった管理コストも発生する。また、「情シスに頼むとデータが使えるようになるまで3カ月もかかる」(中山氏)といったケースもあるという。
このようなデータにまつわる課題を解決するため、Denodo Platform 7.0では、実データと「Base/Raw Views」と呼ばれる仮想データを作成し、分類やタグ付け、データ配列、キーワードといったメタ情報を持つデータカタログを通じて、BIツールやウェブサービスなどから参照するデータ統合配信基盤を用意した。
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