経理や財務、3割がテレワークせず--最大のネックは「紙の書類」 - (page 2)

TechRepublic Japan Staff

2020-04-07 06:45

 今後、震災などの緊急時に備え、テレワークができる体制が「非常に必要」が69%、「どちらかというと必要」が27%と合計96%となった。平常時においてもテレワークを「ぜひ導入すべき」が45%、「導入すべき」が30%と、合計75%となっている。

 同協会では調査結果から、業績予想や海外を含めたグループ全体のデータ収集など年度決算への影響を懸念する企業は多く(75%)、業績悪化による資金管理や調達にも大きな不安が生じている状況(71%)と説明。景気の減退による影響、リモートワークなどの働き方による影響の大きく2種類の影響が懸念されているとしている。

 必要な制度やシステムが未整備であることがテレワーク普及の阻害要因となっているが、テレワークを実施できていない企業の最大のネックとして請求書や証憑などの紙の書類がデジタル化できていない(77%)という回答が最多となっている。

 テレワークを実施している企業でも紙の書類のデジタル化に対応できている企業は36%にとどまっており、紙文化からの脱却が不可欠と指摘。ペーパーレスによって解消できることを考えると、そうした課題解決のためには社内システムの導入など経理財務業務のデジタル化への対応が急務と提言している。

 全体の7割以上の日本企業でテレワーク導入が進みつつあるが、社内システムへのアクセス、PCの持ち帰り、オンライン会議ツールの整備がテレワーク実施可否を決めていると指摘する。

 実施できていない企業は「紙の書類や証憑」が実施のネック(77%)となっており、実施している企業でも「紙の書類や証憑」がほとんどなくデジタル化されている企業は36%にとどまり、出社を余儀なくされていると分析。企業努力に加えて、時流や現場の課題を踏まえたルールの変更や緩和などの法的対応も必要になってくると指摘している。以下は「働く環境はどのように変わるべきと考えているのか?」に対するフリーコメント。

  • 在宅勤務も必要に応じて行う反面、会社のバックアップがどこまでできるのか。在宅勤務以外にもコワーキングスペースの活用も必要だと思う
  • 紙や現金の取り回しをなくし、手作業を伴う仕訳を廃止、自宅やオフィスの最適なロケーションで多様な従業員が働きやすい環境に替えていきたい
  • テレワークのツール環境は整っているが、個々の自宅の環境、スペースには差がある。ウェビナーで会議できても効率については人それぞれの感じ方に違いがある。テレワークの準備は今後の自然災害など有事に備えて重要であるが、通常時はオフィスでフィジカルなコミュニケーションが重要と感じる
  • ペーパーレスの実現、どこにいても会社にいるのと同環境で仕事ができるインフラを整備していくべき。紙の証票が多いので、電子化できる環境を構築する必要がある
  • ペーパーレス化を推進して紙ベースの処理を少なくする
  • テレワークの環境は整っているが、業務効率の関係で積極的に推奨していない。運用面でのノウハウがたまれば積極的に活用できる余地はある
  • テレワーク、クラウド化、ペーパーレス化の推進は必要だが、それに伴うセキュリティの保全も必要である

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