ロボティクスプロセスオートメーション(RPA)を活用した自動化対象業務にはどういった傾向があり、開発にかかる日数はどれくらいになるのか――。4月10日、コンサルティングやシステム開発などを事業とするパーソルプロセス&テクノロジー(江東区)が、開発に携わったという770業務を対象とした調査を発表した。主な部署は人事、業務、経理、IT、企画、業務推進グループで、期間は2018年8月~2019年12月。
集計したさまざまな部門で自動化対象になりやすい業務として、データ抽出、システム入出力などをあげている。分析、改善、管理業務のうち、現状を正しく把握、改善するための“準備作業”にあたる部分と説明。人とロボットで業務を分担する傾向もあるという。準備を自動化し、担当者の時間を分析、企画に割く実情が読み取れるとしている。
出典:パーソルプロセス&テクノロジー
人事部門で絞ると、労働時間のマネジメント業務が最多。定期的に発生する人事情報の出力、異動配置のためのシステム入力代行などが続くという。関係者への定期的なメール配信も増えているという。
出典:パーソルプロセス&テクノロジー
経理部門では、定型的なデータ抽出処理のほか、振り込みや費用計上などの経理、決算のための集計などの処理が多いという。データの照合などのチェック業務にも活用されている。
出典:パーソルプロセス&テクノロジー
1つのロボット開発にかかる平均日数は5~15日が多いが、複雑な業務になると1カ月以上かかる場合もあるという。
出典:パーソルプロセス&テクノロジー
また、開発は研修を受けたプロの開発者が担当。人員に余裕のないバックオフィス部門が通常業務と並行してロボット開発スキルを習得、開発するには時間が足りないと指摘。実際に自動化業務を選定しても開発、運用に数カ月かかり、RPAの推進が始まらないケースが多いとしている。