医療分野のコールセンター業務を受託するシミックヘルスケア・インスティテュート(港区、従業員数900人)は、クラウド型のコールセンターサービス「BIZTELコールセンター」を導入。業務効率化やコスト削減に加え、リモートワークによる事業継続計画(BCP)、働き方改革への対応などにも貢献しているという。4月15日、サービスを提供するリンク(港区)が発表した。
シミックヘルスケア・インスティテュートは専用線、電話機と海外メーカーのコールセンターシステムを組み合わせて活用。回線の追加、設定変更には都度ベンダーへ依頼が必要だったという。発生するコスト、最低5営業日程度かかる準備期間に加え、席替え、オペレーター増員、引っ越し時などに必要な電話機の設置場所などが課題だったとしている。
製薬企業などを顧客に、80以上のコールセンター代行を並行対応。医療関係者、患者などからの問い合わせ数は1日300件ほどになり、発信も200件ほどあるという。一つひとつ丁寧な対応が求められ、現場からのレポート要望にはExcel加工で応えていたとしている。
クラウドを前提に30社から8社にしぼり、使いやすさ、コスト、事業継続性、システムの信頼性などから採用。設定変更や回線手配、分析レポートの作成が社内で可能なため、業務効率が向上。年間の運用コストは数百万円規模で削減できるという。
コールセンターごとの着信数、保留数、応答率などの各種統計レポートを自動生成できるという(出典:リンク)
業務アプリ構築PaaS「kintone」と連携させ、着信と同時に情報をポップアップ表示。正確な名乗りやトークフローの把握、入力画面やFAQなどへのスムーズな遷移ができるという。
クラウドサービスのため、働く場所という制限を緩和。在宅勤務しやすい体制を実現している。子どもを送り迎えできる働き方などが可能となり、従業員からも好評だという。
医療資格者やコールセンター経験者を中心に据えた人材採用活動にも寄与している。首都圏という制約が外れ、全国から人材を採用。中国、四国、関西など、10人以上が活躍しているとしている。
顧客から増えつつある、BCPを見据えた複数拠点の設置というニーズにも貢献。実際に交通機関の計画停止などが発生した際でもサービス提供を維持し、評価が高まったとしている。