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新型コロナでCIOが注意すべきIT予算の使い方

ZDNet Japan Staff

2020-05-11 14:07

 ガートナー ジャパンは5月11日、新型コロナウイルス感染症がIT部門に及ぼす財務的な影響やCIO(最高情報責任者)がとるべき行動について提言した。

 これについて米Garter アナリスト シニア ディレクターのChris Ganly氏は、「2020年に優先すべきは『成長』ではなく『生き残り』。テクノロジーを使って革新性を保ちながらキャッシュフローと収益を維持できるか否かで決まる」とコメントしている。CIOが取るべき8つのアクションは以下の通り。

重要度の低い支出を保留する

 CIOは、ITの現時点の支出(支払っている、あるいは支払うことが決まっている)のどの領域を延期、排除、変更できるかを直ちに規定すべき。その際は、まだ発生していない(確約されていない)支出、本質的に重要度の低い裁量的な変動支出に注目すべき。

支出増加を見越す

 オフィス型からリモートワーク型の働き方に切り替えるために、ノートPC/モニター/モバイルデバイスの取得や、これらへの資金獲得、増やしたソフトウェア/VPN/ハードウェアへのコスト、利用量ベースの通信コスト(音声とデータの両方)という形で支出が増加する可能性がある。

現時点の支出の割合を減らす

 CIOはビジネス部門と連携して要件ごとの優先順位を見直し、IT部門が捻出できる支出のレベルを設定する必要がある。支出とアクションは以下の3つに分類すべき。

  • 可能/必須:停止、延期、遅滞が可能(つまり必須)なベンダー/サプライヤーおよび支払いを特定する。この際CIOは組織が将来に支払いができなくなる可能性のある「後払い」取引にも警戒すべき
  • 可能性あり/必要:停止、延期、遅滞できる可能性があるベンダー/サプライヤーおよび支払いを特定し、具体的な支出削減アクションと、そのアクションを実行するために必要な関連のあるリスク低減措置を見つけ出す
  • 不可能/禁止:自社のビジネスにとって必要不可欠であるため、今回停止、延期、遅滞すべきではない支払いおよびベンダーを特定する。こうした取引先のパフォーマンスと財務的健全性を積極的に監視し、危険な状態にあるベンダーに対しては緊急対応計画を検討する

    既存の全投資を評価する

     CIOは、今すぐ仕掛中の全プロジェクトをレビューし、「最重要ではないプロジェクト」と「最重要プロジェクト」の2つに分けるべき。「最重要ではないプロジェクト」については即座に中断する一方、直近のキャッシュフローや組織として生存し続けていくために必要となる「最重要プロジェクト」については、削減可能な要素を判断するためにレビューすべき。期をまたぐような大規模プロジェクトは後者に入ることが多く、中断できそうなプロジェクトでも、多くの部分を外部委託している場合は、対象に入れることに慎重になるべき。

    新規支出をすべて延期する

     CIOは、プロジェクト/人員/資産/アップグレードに対してまだ支払いが始まっていないものは全て延期またはキャンセルし、当該支出に関連して留保していたあらゆるサードパーティーリソース/サービス/インフラストラクチャー費用も解除すべき。ただし、延期することでパンデミック収束後のビジネスに大きな影響が及ぶ可能性のある新規プロジェクトをここで見極める必要があり、できる限り投資を継続すべき。

    既存の全支出を再評価する

     CIOは、自らの裁量権があるプロジェクトポートフォリオはもちろん、現在提供中のサービスポートフォリオについても、サービスレベルを下げる機会の特定に取り組むべき。

    利用量削減に向けて交渉する

     CIOは、ビジネス部門のリーダーと連携して、業務に対して行う主要な変更を決めるべき。ビジネス部門にはサービスやアプリケーションを解約するよう交渉し、ビジネス部門のユーザーには利用量を減らすか作業方法を変えるよう促す。ビジネス部門の変動的な運営支出、場合によっては固定費を減らす対策となる。

    代替の財務アプローチを探る

     CIOはCFO(最高財務責任者)と連携して、国や地方自治体レベルで利用可能な、政府または業界による補助金を調査すべき。

     ガートナー ジャパン アナリスト シニアディレクターの片山博之氏は、日本の状況を踏まえて次のようにコメントしている。

     「IT計画の見直しを余儀なくされる企業が多いことと思う。これまでリモートワークの導入に本腰を入れてこなかった日本企業にとっては、追加投資が不可欠になっている。一方で、2020年度に計画していた投資案件に対して再度優先順位付けを行い、より厳しい基準の下で、中止あるいは延期すべきものを決めなければならない。ただし、パンデミック収束後の将来のビジネスで後れを取ることのないよう、継続して投資すべき案件もここで同時に見極めておく必要がある。さらに、既存システムへの支出に対しては、ビジネス部門と協業しながら、価値、リスク、コストのそれぞれを評価することで、一部の外部委託サービスの停止、あるいは支出額を引き下げるにとどめず、システムそのものの廃棄をも視野に入れ、思い切ったコスト削減を実行すべき。IT部門にとっては、全社的なシステム資産の棚卸しができる機会と考えてもよいだろう」

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