ゆうちょ銀行(千代田区、従業員数1万2477人)が人工知能(AI)を活用した音声分析システム「ForeSight Voice Mining(フォーサイト ボイス マイニング)」を採用。2018年10~12月に実証実験し、2020年秋から全国のコールセンター約350席で本格活用するという。5月19日、導入を支援したNTTデータ、提供元のNTTテクノクロスが発表した。
音声認識、FAQ検索技術を実際の環境下で活用。経験の浅いオペレーターの応対品質の向上、約3割の処理時間削減を実証したという。
ForeSight Voice Miningは、NTTグループのAI技術「corevo(コレボ)」の音声認識、日本人特有の感情分析、日本語解析などの技術を活用。日本人特有の怒り方と言われるCold Anger(声を押し殺て静かに怒るクレーム)なども識別しつつ、通話音声をリアルタイムにテキスト化できるとしている。

ForeSight Voice Miningのイメージ(出典:NTTテクノクロス)
オペレーター業務向けには、通話音声の認識結果をもとにしたリアルタイム画面表示、関連するFAQの自動検索、要約文の自動作成などが可能。

※クリックすると拡大画像が見られます
管理者向けには、同時に複数オペレーターの通話内容を可視化できるモニタリング機能、NGワードなどの特定単語の発話、保留の検知からトラブル状況を可視化するアラート機能などを提供。応対履歴はオペレーター、顧客情報に加えてテキスト化した通話情報、応対時の感情状態などからも検索可能。確認業務を効率化できるとしている。
席数、コールセンターの環境、ユーザ要件により変動するためForeSight Voice Miningの提供価格は非公開だが、今回のゆうちょ銀行のシステム全体の導入コストは11億2500万円としている。