3.「これ、いったい誰のサーバー?」データセンターに残された、誰も知らない謎の機器と回線
データセンターの現地調査をしているとき、もしくはサーバーの移設が進みラックに空きができてきたとき、「謎の機器」が出てくることがあります。
管理台帳にも載っていない、棚卸資料でも「不明」とだけ記載。ラック管理者に聞いても「昔からずっとある」との回答。これで電源が落ちていればまだよいのですが、なんと電源が入っておりLANケーブルも生きている……。
忘れられた検証機や撤去していないだけの廃止済みシステムならよいものの、もし誰かが使っているものだったら?! これはかなりよくある話です。
自社のシステム担当が管理している正式なシステムのサーバーではなく、検証用にベンダーが持ってきた、エンドユーザー部門に置かせてくれと頼まれた、グループ企業が使っている、廃止された地方拠点から運ばれてきた……など、様々な理由で正規のシステムに含まれない機器がデータセンター内に残されているのです。
また、サーバーだけでなく、データセンターに引き込んでいる回線を移設あるいは撤去する際に「誰のものかわからない回線がある」という事態が発生することもあります。ネットワークサービスを契約するとサービス事業者名義の回線が引き込まれるなど、自社名義ではない回線がデータセンター内に存在するのです。
どちらも徹底的な聞き込み捜査やケーブルをたどっての実機調査によって、管理者が誰でどの部門なのか、停止・撤去・移設してよいのかを確認していくしかありません。しかし、いくら調べてもわからない場合、最後の手段として、周知と予告の上で覚悟を決めて停止、撤去せざるを得ないこともあります。