大阪ガス、自営等BWAシステムを活用しスマートファクトリー化を推進

NO BUDGET

2020-07-08 06:00

 大阪ガスは、グループ企業などと連携し、大阪ガス泉北製造所(大阪府堺市)においてBWA(Broadband Wireless Access:広帯域移動無線アクセス)システムを活用し、製造所の現場業務効率化に向けたデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進していく。

 同社では、センシング技術を活用した点検作業の効率化、音声・映像などを活用した熟練作業員による技術伝承の円滑化、遠隔立会いによる緊急時対応の迅速化などを進め、製造所のスマートファクトリー化を目指している。今回導入したネットワークは、企業が自らの建物や敷地内限定で、安全で高速かつ広範囲の通信環境を構築することができる。これにより、製造所全域の音声およびビデオ通話や業務アプリケーションなどの実装が安価に可能だ。

Daigasグループとパナソニックによる泉北製造所のDX推進の概要
Daigasグループとパナソニックによる泉北製造所のDX推進の概要

 大阪ガスの100%子会社大阪ガスビジネスクリエイトは、総務省近畿総合通信局より、「自営等BWA」の免許を取得した。同社は通信事業者として同製造所の通信設備の維持運用管理を行う。BWAシステムは特定のエリアで通信規格「LTE」を利用できるローカル無線通信ネットワーク。携帯電話事業者で利用されているLTEシステムと同様に、SIMカードで管理され安全に運用可能だ。自営等BWAとは、総務省が発表した「ローカル5G導入に向けたガイドライン」において、企業が自らの建物や敷地内でスポット的にネットワークを構築し利用可能とした無線通信システムになる。

 泉北製造所で都市ガス製造を担うDaigasガスアンドパワーソリューションは、BWAシステムのネットワークを活用し、運転維持管理業務の効率化を進める。なお、ネットワーク運用の機器納入・運用支援・保守は、パナソニック システムソリューションズ ジャパンが担当する。

 大阪ガス泉北製造所は広大な敷地を有し、災害時にも確実に通話ができるよう、敷地内における通信手段にはPHSを使用してきた。大阪ガスは既存整備のPHSシステムが新規格に対応(2022年11月までの対応が必須)する必要があり、デジタル化による業務効率化および円滑な技能伝承に向けて、通信環境の更新を検討してきた。しかし電波のカバー範囲が狭い無線LANシステムでは、無線ネットワークの構築は多数のアンテナが必要となり、コスト面での課題があった。

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