40日を25日に--ブラックラインなど、2021年3月期決算のフルリモート化目指す - (page 2)

阿久津良和

2020-07-28 06:45

 だが、決算プラットフォームであるBlackLineが担うのは決算処理、監査対応のみ。そこで取引記録をデジタル化する統合基幹業務システム(ERP)や電子証憑システム、開示書類作成支援システムといった他システムとの連携が欠かせない。こうした背景からブラックラインを含めた各社が今回の共同宣言に至ったとみることができる。

 ブラックラインは2カ月間で課題の洗い出しや社内稟議(りんぎ)プロセスの見直しを経て、4カ月程度で計画立案から本番稼働までを可能とする予定表を提示しているが、その内容は2019年9月からセゾン情報システムズで概念実証(PoC)を踏まえた結果だと同社は説明する。

 別の企業でも半年間で導入した結果を踏まえつつ、ブラックライン代表取締役社長 古濱淑子氏は「すべての日本企業が持つ経理部門のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を通して、日本の生産性向上に尽力する」と語った。現在のアナログな決算業務に要する40日間を25日程度に短縮する。

 リモート決算推進共同宣言に参画する各企業は以下のようにコメントしている。

SAPジャパン 常務執行役員 クラウド事業統括 宮田伸一氏「バックオフィス業務の課題を解決は急務。SAPのERPデータが連係することで変革の礎が整う」

オープンテキスト 代表取締役社長 反町浩一郎氏「グローバル企業は日本ほどの遅れは発生していない。日本企業の競争力を強化したい」

コンカー 戦略事業開発本部 本部長 橋本祥生氏「テレワーク実施率はある程度に達しているが、経理部門は出社している。われわれは各企業のアナログ文化を変えていきたい」

プロネクサス 常務執行役員 営業本部 システムコンサルティング事業部長 森貞裕文氏「開示やビジネスレポーティングの負荷は高いため、決算から開示までのプロセスを効率化させたい」

ディスクロージャー・プロ 代表取締役 末永貴志氏「開示書類作成の透明化は難しかった。業務進捗の可視化を支援する」

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]