富士通、制御システムへのサイバー攻撃を物理的に遮断する機器を発表

ZDNET Japan Staff

2020-08-18 14:55

 富士通は、産業用制御システムや社会インフラ設備の制御・運用技術(Operational Technology:OT)環境を狙ったサイバー攻撃を物理的に遮断するというネットワーク機器「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA Data Diode」を発表した。9月25日に出荷を開始する。

 COLMINA Data Diodeは、外部ネットワークからの侵入を物理的に防ぐデータダイオード方式による完全片方向データ通信機能をFPGAに実装した。オフィスなどのネットワーク環境とOTのネットワーク環境の境界部に設置し、データ通信をOT環境からオフィスなどのネットワーク環境への一方向だけに制限することで、OT環境への通信が物理的に行えない。これによりサイバー攻撃がOT環境へ物理的に及ばない。

機能概要と適用イメージ(出典:富士通)
機能概要と適用イメージ(出典:富士通)

 OT環境は、機器の仕様などの制約からIT環境に比べて汎用的なセキュリティ技術を利用することが難しく、万一の被害が社会生活や人の生命にも影響を与える恐れがある。このため堅牢性の高いセキュリティの確保が必須になる。

 新製品は、サイバー攻撃の物理的な遮断に必要な機能をFPGAに実装することで堅牢性を確保するとともに、OSやアプリケーションの脆弱性リスクもできるだけ排除したCOLMINA Data Diode自体へのパッチ適用が不要で保守も容易という。

 機器は、1Uラックマウント型のDD200R(販売価格390万円)、セットトップボックス型で実効レート200MbpsのDD200S(同257万円)、セットトップボックス型で実効レート100MbpsのDD100S(同185万円)の3モデルをラインアップする。同社は2021年度末までに3億円の売り上げを予定している。

製品ラインアップ(出典:富士通)
製品ラインアップ(出典:富士通)

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

  5. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]