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第一生命に聞く、「情報」として活用するためのデータ基盤をどう作るのか

國谷武史 (編集部)

2020-11-04 06:00

 第一生命保険は、データ基盤の構築に際して、ビジネスや価値創造につながる「情報」として活用していくことに力点を置いたという。自社のデータだけでなく、将来的にさまざまなデータを「情報」として連携、活用していく仕組みをどう作り上げるのだろうか。

データと情報

 現在は業種・業界を問わず多くの企業が高度なデータの分析やその活用に乗り出している。生保では、従来の疾病などにおける支援だけでなく、保険契約者が健康で安全に日々生活していける「Quality of Life(QOL)」の向上への貢献が大きなテーマの1つにある。同社もその実現に向け、2021年3月期を目標とする中期経営計画「CONNECT」で、グループ各社やパートナー、地域・社会との“つながり”を強めている。データ基盤はそのためのプラットフォームになる。

 同社では、2019年4月に「データマネジメント室」を設立。グループが持つビッグデータを統合的に管理するとともに、高度な活用を推進するため戦略の策定や実行、仕組みの整備、人材育成、ノウハウの蓄積といった広範な機能を持つCoE(Center of Excellence)としての役割を担っていくという。

 ITビジネスプロセス企画部 データマネジメント室長の板谷健司氏は、データの本質的な理解こそが大事だと話す。同氏は、データと情報について次のように定義している。

  1. 人・モノ・金に続く第四の経営資源とは、データではなく情報である
  2. データは現代の石油だが、石油と同様に価値(情報)を生む形に精製する必要がある
  3. 企業内や顧客との理解やコミュニケーションを深める共通言語は、データではなく情報である

 データや情報の重要性は多くの人々が認識しているものの、板谷氏は、データサイエンティストであっても両者の関係性を正しく理解していないことがあると指摘する。データそのものではなく、データが示す意味や内容といった情報こそが大事であり、情報として活用しそこから得た知見がビジネスの開発や改善、価値創造につながる。“当たり前”とも感じるこの本質を、あえて明示することが同社のデータ基盤構築における大きなポイントだ。

データの本質(第一生命保険提供資料より抜粋)
データの本質(第一生命保険提供資料より抜粋)

 板谷氏は、「データを情報に変えビジネスに活用していくには、ビジネスの知識と価値を理解していなければできないと考えている」と話す。

 データを蓄積・分析し情報として活用していくには、まず根底として、適切にデータを扱うガバナンス、人材がデータから情報を得て活用していけるリテラシー、それらを推進するための企業文化が必須であり、その上にデータサイエンティストなどの人材や組織の体制がある。これらを備えてようやく、情報としていくデータの定義やノウハウの蓄積、データ基盤やツールなどの整備に至る――と説明する。

 加えて重要な点は、金融機関として重要な情報を扱うために順守すべき法令や規制への対応、社会通念や倫理、そして、顧客の理解というガバナンスであり、データや情報の活用とバランスを図らなければならない。企業のデータ活用では、特に個人情報やプライバシーへの懸念もある中で板谷氏は、「その目的を明確に説明し納得と理解を得て、お客さまの価値に資する価値を提供し、実感していただくことが大前提」と話す。

 第一生命のデータ基盤は、こうした前提や考え方、方針、目的を明確にした上で構築が進められた。

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