「Excel」をあまり使わなくなって久しい。とはいっても、相手がExcelを使う場合、こちらもそれに合わせるのだが、その必要がなければ自分から「Google スプレッドシート」の利用を提案する。Google スプレッドシートはとても優れていて、未使用の相手にもGoogle スプレッドシートの魅力を知ってほしい——大袈裟ではなく、そんな気持ちがある。
なんといっても、シートを更新する度にメールに添付して送付したり、シートのタイトルを最新のものに変更したりという手間がかからないのは、非常に素晴らしいと思う。シートにアクセスすれば、常に最新の情報を閲覧でき、編集履歴も簡単に確認できる。時短化にもってこいのツールだと言っても過言ではないだろう。
本連載では、業務効率化・合理化に役立つGoogle スプレッドシート便利技を3つずつ4回にわたって紹介する。今回はその第3回目で、PCで使う場合を想定。
1.細やかな設定を素早く行い、効率良く印刷する
Google スプレッドシートで作成した資料は、何らかの形式でダウンロードする手間なく、スプレッドシートの画面からそのまま印刷できる。
しかも、ただ印刷できるだけではなく、かなり細やかなオプションがついているのが特徴だ。方法は簡単で、「ファイル」→「印刷」を選択すると、印刷専用の画面が立ち上がる。
印刷するページは「印刷」から「現在のシート」「ワークブック」「選択中のセル」から選択。
「印刷形式」で「グリッド線を表示」「メモを表示」にチェックを入れることも可能。さらに、ヘッダーとフッターに「ページ番号」や「ワークブックのタイトル」「シート名」「現在の日付」なども挿入できる。
設定を終えたら、画面右上の「次へ」をクリックし、プレビュー画面に変わったところで「印刷」をクリックすればOKだ。
2.クリーンアップ機能を活用し、データを瞬時にクリーニングする
クリーンアップ——Google スプレッドシートをデータ分析に活用する人は、押さえておくといい機能のひとつである。
このクリーンアップ機能を使うと、分析前に元データを整理、標準化、クリーニングできる。
「データ」→「クリーンアップの候補」をクリックしよう。候補が検出された場合は、画面右のサイドバーに「クリーンアップの候補」として表示される。異常やエラーは赤色、その他の候補は緑色になる。
サイドバーに表示された、エラーが存在するセル番号にカーソルを合わせると、スプレッドシート内の関連するセルがハイライト表示される。
検出された候補を整えたい場合は、サイドバーから対応する。例えば、データの中に不要と思われるスペースがあった場合は「空白文字」と表示される。この場合、「無視」「すべて削除」のうち、後者を選択すると修正が反映される。
余分なスペースや重複の削除、数値形式の追加、異常の特定、不整合なデータの修正など、一般的なエラーを瞬時に特定して、対処するのに重宝する機能である。
3.繰り返し実行するタスクをマクロで自動化して、時短につなげる
さらなる効率化を狙いたいなら、繰り返し実行するタスクをマクロで自動化するといい。Google スプレッドシートでは、「ツール」→「マクロ」→「マクロを記録」からマクロを作成する。
続いて、画面下部で、マクロで使用するセル参照のタイプを「絶対参照を使用」「相対参照を使用」のいずれかから選択する。
「絶対参照を使用」を選択すると、記録時に使ったセルで、タスクを実行するマクロを作成することになる。例えば、セルF1を斜体にする操作を記録すると、クリックしたセルに関係なくセルF1を斜体にするマクロが作成される。
対して「相対参照を使用」を選択すると、選択したセルと周辺のセルでタスクを実行するマクロを作成することになる。例えば、セルC1とD1を斜体にする操作を記録すると、作成されたマクロを使ってE1とF1を斜体にすることができる。
セル参照のタイプを決めた後は「保存」をクリック。続いて「新しいマクロの保存」からマクロに名前を付けて「保存」をクリックすれば、マクロの作成は完了となる。
作成したマクロを実行するには、「ツール」→「マクロ」→該当のマクロの名称をクリックしよう。
第4回に続く。