データウェアハウス(DWH)大手の日本テラデータは11月18日、記者会見を開催。クラウドファーストを標榜した事業戦略と同社のデータ分析基盤である「Teradata Vantage」の長所を解説した。
Teradata プレジデント兼CEO Steve McMillan氏
OracleやF5 Networksを経て、米国時間6月8日に米本社Teradata プレジデント兼最高経営責任者(CEO)にSteve McMillan氏が就任した。クラウドシフト化するデータ分析基盤についてMcMillan氏は、「あらゆるデータをすべて統合することで、真に統合されたデータ解析を実現できる。単一のデータマートやデータグループをクラウドに移行させても、統合していないデータを分析しているにすぎない」とデータ基盤の重要性を強調する。
Teradata VantageはAmazon Web Services(AWS)、Microsoft Azureに続いて、10月からGoogle Cloud Platform(GCP)に対応した。
データの正確性に懸念
Teradataが9月に米国、英国、フランス、ドイツ、中国、日本のIT意思決定者やビジネスリーダーを対象にしたデータ分析に関する意識調査によれば、88%の企業がコロナ禍でデータの重要性が高まったと回答している。IT意思決定者の77%はデータの正確性が精査されるようになったと回答。中国(93%)、ドイツ(80%)、米国と日本(77%)の順でデータの正確性に懸念を抱いていることが分かった。
また、ビジネスリーダーの53%がデータの誤用から生じるデータ全体への不信感を覚えているが、米国(60%)、日本(56%)、英国(28%)と見解が大きく異なる。ビジネスリーダーの47%はコロナ禍におけるクラウド利用の必要性を感じており、日本は平均を若干上回る50%だった。
その結果として、ビジネスリーダーの82%がデータと主なビジネス機能をクラウドに移行させる決定を下している。5カ国中最も注力しているのは中国(99%)だが、英国(59%)はクラウド移行に懐疑的という興味深い結果もかいま見られた。
調査結果を踏まえてMcMillan氏は「データを組織の中心に据えれば、資産やデータ文化を醸成し、自社やパートナーエコシステムの将来を変えられる」とデータの重要性を明言している。
クラウドデータ分析基盤で求められる機能としてTeradataは、「弾力的なスケール調整によるコンピューティングとストレージの分離」「ファーストパーティーのクラウドサービスとの統合」「最新のデータソースの取得」「データ管理とスケーラブルなアナリティクス機能の統合」「動的なリソース割り当てとワークロード管理」の5項目を並べた。
Teradata CPO Hillary Ashton氏
米本社 最高製品責任者(CPO) Hillary Ashton氏は各特徴を説明しつつ、「Teradata Vantageはダイナミックなワークロード管理や(事業拡大に伴う)混在するワークロードに対応する」と訴えた。
競合他社のデータ分析基盤についてもAshton氏は「スケール調整が相互に依存し、クエリ数の増加に応じてデータの可用性が遅延する。Teradata Vantageはクエリ数やユーザー数、データ量が増大してもパフォーマンス損失につながらない。この利点を得られるのはわれわれ(のソリューション)だけ」とアピールした。