今こそDX戦略の見直しを--クラウドの有効活用でビジネス変革を最速化

NO BUDGET

2020-12-08 06:00

 ビジネスを巡る環境が大きく変化する今、企業はデジタルトランスフォーメーション(DX)のあるべき姿をどのように捉え、その実現に向けてどのようなビジョンを掲げて戦略を立案すべきか。グローバルに展開する製造業を中心に、業務改革構想立案から業務設計、システム導入の推進、現場への定着化まで豊富なコンサルティング経験を持つデロイト トーマツ グループ、パートナーの根岸弘光氏に、これからのDXとクラウド活用について話を聞いた。

DX戦略の見直しを迫られる日本企業

 近年、日本企業でビジネス課題として取り組みが進むDXは、政府のデジタル庁設置の方針などにより、その必要性の認識がさらに広がっている。DXというと、これまでは主にコスト削減を目的として、RPA(Robotic Process Automation)や人工知能(AI)などのツールや技術を導入することにより業務の効率化を進めるといった取り組みが多く見られた。しかし、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大によってビジネス環境が激変する中、日本企業はDXの在り方を見直し、本来のDX戦略を描き実行していく必要があるという。

デロイト トーマツ グループ パートナーの根岸弘光
デロイト トーマツ グループ パートナーの根岸弘光

 根岸氏は、今日のビジネスの変化に対応するDXの取り組み方について、「これまでのように、ただテクノロジーだけを導入して業務を効率化するというやり方ではなく、ビジネスのトランスフォーメーション(変革)にどう取り組むかというビジョンや戦略をしっかりと立案した上でDXを進めていくことが重要だ」と強調する。

 つまり本来のDX戦略とは、単にコスト削減を目的とするようなものではなく、収益の拡大につなげる施策が大きな地位を占めるものでなくてはならない。そもそも企業は、コロナ禍の前から新たなテクノロジーの出現や製品・サービスのコモディティー化、消費者ニーズの変化などにいち早く対応し、新しいサービスを迅速に創出して売り上げの拡大を図るべく、戦略的なビジネス変革の取り組みを推進する必要があった。この点において、日本企業が欧米企業に後れをとっていたことは否めないだろう。故に日本企業は、DXの在り方を見直す必要があった。そこにコロナ禍が到来したことによって、DXを見直す必然性が加速したと根岸氏は指摘する。

 また、DXの取り組みでは、さらなるスピード感が求められるようにもなっている。根岸氏によれば、コロナ禍以前は日本企業のDXの取り組みが5~10年の期間をかけて進んでいくと見られていた。しかし、現在では「月単位、場合によっては週単位で取り組みを進めることが求められるようになっている」と話す。

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