Amazon Web Services(AWS)は米国時間12月15日、KDDIとAWSのコンピューティングリソースを通信事業者の環境で利用する「AWS Wavelength」の国内提供を開始すると発表した。KDDIの5G(第5世代移動体通信)ネットワークで利用可能という。
AWS Wavelengthは、2019年12月に開催されたAWSの年次イベント「re:Invent 2019」で発表された。AWSのクラウドサービスに使われるコンピューティングリソースを提携する通信事業者の設備などからも提供するもので、KDDIの他には米Verizonなどが提携している。
国内では、東京エリアにおいて5Gネットワークを介してKDDIが提供するAWS Wavelengthにアクセスでき、AWS Wavelength上にホストされたシステムやアプリケーションへシームレスに接続可能になる。
5Gは、超低遅延、高密度、高速データ通信を特徴としており、これらを生かしてデータが生成されるさまざまな現場から大量のデータを高速に転送できる。工場の生産設備データの送信や自動走行車の制御、超高精細映像の配信など多様な用途での活用が期待されている。従来はデータ処理のためのクラウドデータセンターへの接続で遅延などが課題とされたが、AWS Wavelengthを組み合わせることで、こうした課題を解決できるという。
ファーストユーザーは、ブレインズテクノロジーと日置電機、TVTの3社で、ブレインズテクノロジーは、異常検出による機器の予防保全を行うための機械学習の推論実行に取り組む。日置電機は電子機器の精度の高い時刻同期で活用し、TVTはインタラクティブなライブストリーミングで利用するという。