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コロナ禍での従業員エンゲージメント--帰属意識が大きく影響

N.F. Mendoza (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 編集部

2020-12-24 07:45

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が広がった2020年、日常生活やライフスタイルが世界的に見直された。健康への壊滅的な影響に加え、世界のビジネスのやり方や組織の従業員への接し方も大きく変化した。Qualtricsの年次従業員体験トレンド報告書の最新版には、従業員体験の世界的な断片が記録されている。

 2021年の報告書は、「2020年は従業員の体験が永遠に変化した年として記憶されるだろう」と明言している。報告書は、世界的な感染症の流行、社会不安、物理的な隔離などを挙げ、これらを理由に企業幹部は従業員を保護する方法について考え直し、再構築していると述べる。

会社に帰属して守られていると感じたい従業員

 報告書において4つの重要項目のうち、「エンゲージメントスコア」「定期的にフィードバックに耳を傾けること」「会社にとどまる意思」はポイントが上昇しており、唯一減少したのは「フィードバックに対して行動を起こすこと」(-7%)だった。

 従業員エンゲージメントに最も影響力を示したドライバーは、帰属意識と世界に良い影響を与えるための企業努力への意識であり、多様性、公平性、一体性(DEI)が「最優先事項」となっていることが明らかになった。在宅勤務は「常時接続」の仕事に拍車をかけ、仕事と生活を融合させている。

 2020年のエンゲージメントスコアは、2019年のスコアから13ポイント上昇し、2019年は53%しか会社にとどまる意思を示していなかったのに対し、2020年には70%に跳ね上がった。

 2020年の勤務場所の変化や自宅へのシフトは始まりに過ぎなかった。帰属意識がトップに挙げられる一方で、変化への適応、学習と開発、企業の社会的責任(CSR)、キャリア目標、リーダーシップへの自信といった項目も主なドライバーとなっている。

従業員が帰属意識を感じる時

 QualtricsのXMサイエンティストであるLindsay Johnson氏は報告書の中で、「感染症の流行、人種的公平性を求める声、そして前例のない変化を受けて、従業員が本来の自分になるための空間があると感じることは、従業員にとってより重要なこと」とした上で、次のように述べている。「またそれだけでなく、自分が参加していることが世界に良い影響を与えている点も重要である。これらの理想が従業員体験に不可欠になりつつあることは理にかなっている」

 従業員が次のように言える場合、帰属意識を感じていることになる。「世界に良い影響を与えようとするこの会社の努力を誇りに思う」「この会社には開放的で率直なコミュニケーションがある」「自分はチームの大切なメンバーだと感じる」「組織の変化に適応しようとする自分の努力が後押しされていると感じる」

従業員にとってのウェルビーイングとは

 ほとんどの組織は、従業員ウェルビーイング(心身の幸福)に対する本質的な価値を理解しており、報告書ではその定義ついて、職場で「落ち着いていると感じる」「元気があると感じる」「責任に押しつぶされていると感じることがほとんどない」「自分自身を肯定的に感じる」「信頼関係を築いている」という指標で得られるとしている。

 QualtricsのXMサイエンティストであるLauren Rice氏は、企業がこの混乱の時からの立ち直りを続ける上で従業員ウェルビーイングは非常に重要だと報告書で述べている。「仕事と個人的な責任を両立させるために従業員に柔軟性を与えたり、家族の健康上の問題に対処するために従業員を支援したり、あるいは従業員の不安に耳を傾ける時間を取るだけでも、従業員ウェルビーイングに配慮し支援することは、今の時期においては組織にとって必要不可欠なことである。組織が従業員を気遣うことで、従業員は自分の仕事や組織に対し、気遣いや献身を示すようになる」(Rice氏)

より大きなストレスを感じているのは独身かパートナーがいる場合か

 Qualtricsのデータによると、独身者は職場で幸福感を感じる割合が低く、オンライン学習の負担が増えているにもかかわらず、家族を持つ人々の方がストレス要因の影響を受けにくいことが明らかになった。幸福感を感じると答えた割合は、扶養する子供と一緒にパートナーと結婚しているか同居している層は72%、扶養家族のいないパートナーと結婚しているか同居している層は68%、扶養する子供がいる独身者は66%、扶養する子供のいない独身者は58%となっている。

組織は耳を傾けるだけでなく行動も

 報告書によると、フィードバックを受けて行動することに関して、雇用主と従業員との間には大きな開きがある。92%の従業員が、会社がフィードバックに耳を傾けることが重要だと考えているにもかかわらず、自分の会社が実際にそうしていると答えた従業員はわずか7%に過ぎなかった。しかし、従業員が自分の意見が聞き入れられたと感じれば、会社がフィードバックに対して行動しない、またはほんの少ししか行動しないと感じている場合より、従業員エンゲージメントは倍増するため、企業がフィードバックに対して行動を起こすことは重要である。

 Qualtrics社のXMサイエンティストであるJake Outram氏は、「COVID-19への対応によって、従業員の意見に耳を傾けることにおいて、大きな変化が起こった」と述べている。「多くの組織は、従業員の幸せと仕事の安全に関わる問題に手を差し伸べるため、パルスサーベイを頻繁に実施するように迅速に方向転換した。これにより、幹部と従業員の双方に、従業員の意見に機敏に耳を傾けることに対する意識や意欲が高まってきている」(Jake Outram氏)

 今回の調査は、COVID-19が流行する中で従業員エンゲージメントの状況を評価するため、20カ国から1万1900人近くの正社員を対象に実施された。

提供:Chainarong Prasertthai, Getty Images/iStockphoto
提供:Chainarong Prasertthai, Getty Images/iStockphoto

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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