調査

オフィスは従業員を支援する「ビジネスセンター」に--レノボの2021年予測

NO BUDGET

2020-12-22 12:54

 レノボ・ジャパンは、2021年のテクノロジートレンド予測を発表した。今回は以下8つの予測を行っている。

  • 予測1「ワーク・フロム・ホーム文化」がコラボレーションとオフィスを変える
  • 予測2「コネクティビティ」を高める技術が発達する
  • 予測3「教育のデジタル化」がコロナ禍で加速する
  • 予測4「サブスクリプション化」が企業向けにも拡大する
  • 予測5「遠隔医療」に対する需要がこれまで以上に高まる
  • 予測6「ホームエンターテイメント」はより没入感が高まる
  • 予測7「新しい形のコンピューティングデバイス」がZ世代の需要を牽引する
  • 予測8「セキュリティとプライバシー保護」に終わりはない

 予測1については、自宅(あるいはモバイル環境)と、メンバーのコラボレーションをさまざまな形で支援するビジネスセンターに生まれ変わったオフィスが形作る「ハイブリッド」な環境の中で仕事が進むようになると予測している。その結果、企業は従来に増して従業員に最適なテクノロジーツールとITサポートを提供しなければならなくなるという。レノボの調査では2020年時点で、自身が使用しているモバイルやデスクトップPCが新たなワークスタイルに適していると感じている従業員はわずか30%だという。こうしたことを背景に、企業は単にITインフラへの投資額を増やすだけでなく、テクノロジー導入に関する決定権を従業員にあたえることも必要になるとしている。

 予測2については、スマートフォンのような常時オン・常時接続技術のPCへの搭載が進み、Wi-Fi以外のワイヤレス接続手段としての5G(第5世代移動体通信)技術が発達するとともに、家庭内の通信機器数増加をカバーするWi-Fi 6やWi-Fi 6Eが普及するとしている。スマートホームアシスタントは、価格の低下と家庭外での利用が進むと予測されるという。また、従業員が仕事をしている場所がどこであっても最適なコラボレーションを実現し生産性を高める「ワークフロムエニウェア」を実現するために、ネットワークのハードウェアとサービスを一体化した「サービスとしてのネットワーク」(Network as a Service)が登場するだろうと予測している。

 予測3については、2021年には、学習のパーソナライズ、プロジェクトベースの教育、評価方式、生徒指導、バーチャル教室、コラボレーションといった分野でデジタル化が進むとしている。将来的には、音声とコンピュータ画像による生徒一人ひとりにカスタマイズした教育、センサー技術と位置検知技術による遠隔教育が登場すると予測している。

 予測4では、2021年には、「あらゆるもののサービス化」(Everything as a Service)が進み、企業向け、業務用にもサブスクリプション文化が普及するという。企業はテクノロジーツールやITサービスを手ごろな価格で利用できるようになり、あらゆるものがサブスクリプション化、サービス化するにつれ、先端的なITの導入が容易に、かつ短期間で可能になる予測している。

 予測5では、バーチャル介護の需要が増加し、AI(人工知能)や5Gを活用して高度化するとしている。また、将来的には細胞組織の作製・転写やパーソナライズされたがん患者治療を中心としたナノテクノロジーの発展も見込まるという。

 予測6については、感染拡大を防止するために消費者が自宅で過ごす時間を増やすことになり、必然的に、消費者はホームエンターテインメントにさらなる没入感を求めるようになると予測している。そのために、ディスプレイ、オーディオ、バッテリー寿命の最適化が、AIと機械学習により自動的に行われるようになるという。また、離れた場所にいる人々との社会的つながりを維持する手段として、ゲームは2021年も盛況が続き、消費者にとってネットワーク技術とプラットフォーム選択の改善が見込まれる2021年には、クラウドゲームは成長する可能性があるとしている。

 予測7での「新しい形のコンピューティングデバイス」は、折りたたみデバイスや折りたたんだり丸めたりできる大型モニターなどを指している。そして将来的には、これらのディスプレイ技術がスマートウォッチや衣服、玩具にも採用される可能性があり、その一方、リモートでの機械保守やトレーニングに汎用的に適用できる、AR(拡張現実)対応のスマートグラスも法人向けに登場してくると予測している。デジタル技術に精通したZ世代は、今までのPCのデザイン形状にこだわりがなく、テクノロジーに精通した次世代の消費者にとっては、デュアルスクリーン、折りたたみという形状の多様化、さらにはオンスクリーンキーボード入力や音声合成ツールのような新たな選択肢が魅力的に映るはずだとしている。

 予測8では、「ワークフロムホーム」が当たり前になると、企業ネットワークの境界線は今やクラウドやリモート接続されたあらゆるデバイスに拡大し、スマートホームデバイスでさえ、企業ネットワークにリスクをもたらす恐れがあるとした。新しい生活様式におけるリモートアクセスやクラウドインフラは、企業にセキュリティの見直しを迫ることとなり、一方で、個人用と業務用の機器の線引きがますます曖昧になるにつれ、消費者や在宅勤務を行う従業員が抱くプライバシー保護への要求は、今後も高まり続けるとしている。

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