明電舎、技術研修センターにARトレーニングツールを導入

NO BUDGET

2020-12-25 10:54

 明電舎は、10月に開設した体感型技術研修センター「Manabi-ya(学び舎)」にメンテナンス作業者向けAR(拡張現実)トレーニングツール「バーチャルアセット」を導入した。導入は同ツールの製作委託先である電通国際情報サービス(ISID)が実施した。

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技術研修センター「Manabi-ya(学び舎)」 (出典:明電舎)

 Manabi-yaにおいて明電舎は、トレーニングの主力プログラムの1つとしてARを活用した体感型トレーニングシステム「AR 教育システム」を設計し構築している。AR 教育システムは「バーチャルアセット」「バーチャルタッチ」「リアルアセット」などのツールで構成されている。

 バーチャルアセットは、大規模設備のメンテナンストレーニングに対応する部分を担う。Microsoftのヘッドマウントディスプレイ「HoloLens 2」を通じて見る現実空間で、3D化された設備に情報を重ね合わせ、実機と同等にメンテナンス操作が可能なバーチャルトレーニング環境を提供する。

表示されたガイダンスの手順を進める様子(左)、矢印とテキストでメンテナンス箇所を表示(右)(出典:明電舎)
表示されたガイダンスの手順を進める様子(左)、矢印とテキストでメンテナンス箇所を表示(右)(出典:明電舎)

 同ツールは、現実空間の指定された場所にHoloLens 2 を通じてインタラクティブに操作可能な3Dモデルを表示し、テキストや音声などを組み合わせたトレーニングシナリオを容易に作成できる。受講者は、このトレーニングシナリオをAR空間内で実行することによりメンテナンス手法を効率的に学習し、自学自習を繰り返すことで技術の向上が期待できる。

 設計データからさまざまな機種やサイズの装置を3Dモデル化し、QRコードをマーカーとして任意の位置に表示可能で、作業プロセスを学習するシナリオだけでなく、回答選択を要するテスト形式のトレーニングシナリオを簡単に作成できる。また受講者のハンドトラッキングやアイトラッキングが可能だ。さらに熟練作業者の手や視線の動き、音声などを記録し、受講者が正しい手順を学ぶことができる機能も組み込まれており、今後明電舎では検証を進めながら、運用、展開へと進めていく予定だ。

 ISIDはかねて、製造業の設計開発をはじめとするさまざまな業務領域において、顧客のリモートかつバーチャルな業務環境を実現するための各種xRソリューションを提供しており、VR(仮想現実)技術を用いた遠隔地教育システムやMR(複合現実)技術を用いた仮想メンテナンス訓練システムなど独自性のある実績を複数有している。明電舎はこうした実績や、要件検討段階のPOC(概念実証)、開発からサポートまでを提供できることなどを評価し、今回の採用に至った。

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