ISID、三菱商事の新連結決算システムを構築--保守運用コストを約4割削減

大場みのり (編集部)

2020-12-16 14:40

 三菱商事は、新連結決算システムとして電通国際情報サービス(ISID)の「STRAVIS(ストラビス)」を採用し、本格稼動を開始した。ISIDが12月16日に発表した。新システムの導入に当たり、システム全体の運用設計を見直し、STRAVISの標準機能を最大限に活用した結果、保守運用コストの約4割を削減することができたという。

 同社の新連結決算システムは、500社を超える直接連結対象会社の財務/非財務データを一元管理し、「グループ各社からのデータ収集」「事業セグメント別連結」「全社連結」を行う共通ITプラットフォームとして、グループ全体の連結決算業務を効率化しているという。なお、事業セグメント別連結を行うため、ISIDの「事業連結オプション」が採用されている。

 三菱商事で2000年代に稼働した旧連結決算システムは、パッケージソフトウエアをベースとしながらも、さまざまな要件に対応するために機能を追加開発してきた結果、システム構成が複雑化し、会計制度や社内制度変更への対応コストが増大していた。新連結決算システムの検討では、「パッケージ製品標準機能の活用」「グループ全体の連結決算業務の効率化」「内部/外部環境変化への柔軟性」というコンセプトのもと製品を選定。その結果、同社のコンセプトに合致し、複雑なビジネスロジックに対応できるというSTRAVISを採用した。

 新システムの導入により、国内外約500社の直接連結対象会社からオンラインデータが収集できるようになったほか、入力状況のリアルタイム管理や、入力データの整合性チェックが可能となった。また、各社の会計システムとのデータ連携により、グループ各社の業務負荷軽減とデータの精度向上が実現しているという。

 複数の事業セグメントで構成されている三菱商事では、それぞれの連結業務も可能にするため、必要なデータや機能を各ユーザーに適した形で提供する必要がある。STRAVISの標準機能である権限設定により、各ユーザーは迷うことなく自分に関係のある自動仕訳機能やデータ照会機能のみを利用することができる。また、事業連結オプションを活用することで、事業セグメントをまたぐ投資に関する複雑な会計処理や、組織変更による修正をスムーズに行うことが可能になったという。

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